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美術館 > その他 > その他 > 2021年度 美術館のアクセシビリティ向上推進事業 報告書オンライン版 2(1)アクセス展概要

2021年 美術館のアクセシビリティ向上推進事業 報告書オンライン版 
2.「美術にアクセス!――多感覚鑑賞のすすめ」展

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(1)展覧会概要

基本情報

会期:2021年6月5日(土)-8月1日(日) 開催日数50日
会場:三重県立美術館企画展示室1-4室、エントランスホール
主催:三重県立美術館
助成:公益財団法人三重県立美術館協力会
令和3年度 文化庁 地域と共働した博物館創造活動支援事業
三重とこわか国体・三重とこわか大会文化プログラム事業
入場者数:3,449名 1日平均約69名 障害者手帳等利用者165名(約4.8%)
担当:鈴村麻里子、髙曽由子、内藤由華(三重県立美術館学芸普及課/以降、所属記載のない担当者は同課所属)
美術にアクセス!展ポスター 黒い人物のシルエットの中にシルバーの文様が描かれている 
展覧会ポスター
広報宣材・配布印刷物デザイン:桑田知明
タイトルロゴ:楠麻耶 
 

趣旨

視覚だけでなく触覚や聴覚を活用したり、想像力を駆使してさまざまな感覚を連関させたりしながら、来館者が障がいの有無にかかわらず能動的に美術鑑賞することを提案する展覧会(以下、アクセス展と略)。三重県立美術館が所蔵する絵画、彫刻、版画等に加え、それらの鑑賞を支援する教材等約50点を展示した。

展覧会タイトルの「アクセス」という語には、誰もが利用する権利や機会を得るという従来の意味に加えて、利用者が自らすすんで美術に関わるという期待も託した。視覚という感覚の特性上、視覚のみに頼る美術鑑賞は受動的な経験になりやすい。この展覧会ではその課題の一つの解決策として、障がいのある人向けの鑑賞プログラムにおいて重視される「多感覚の」鑑賞を提案した。とりわけ、触覚の持つ能動性を喚起する力に着目し、触覚を活用した鑑賞機会の担保に努めた。【次のページ】で示す通り、会場ディスプレイは、障がいのある当事者による助言や、国内外のアクセシブルな展示の先例、米国スミソニアン協会のアクセスしやすい展示デザインのガイドライン*を参考にしながら設計した。

キーワード:アクセシブル、ユニバーサル、インクルーシブ、能動性、マルチセンサリー(多感覚の)、触察、ハンズオン、障がい、特別支援学校、展示補助教材

*Smithsonian, “Smithsonian Guidelines for Accessible Exhibition Design,” n.d.(2010)
https://www.sifacilities.si.edu/sites/default/files/Files/Accessibility/accessible-exhibition-design1.pdf
 

章構成

序章「鑑賞の前に」
2020年度のアクセシビリティ事業で実施したプログラムや開発した教材の紹介

第1章「鑑賞するために」
これまで当館で開発した鑑賞支援教材を、対応する所蔵品2点とともに展示

第2章「美術と感覚」
視覚以外の感覚を喚起する作品や、感覚に関わりの深い作品を紹介

第3章「彫刻にさわる」
柳原義達、佐藤忠良、舟越保武の彫刻作品7点の触察が可能な展示 *うち2点の触察は日時限定

第4章「オノマトペと共感覚」
独立した感覚ではなく、統合された感覚に根差すような元永定正の抽象絵画8点を展示
 

主なメディア掲載、寄稿

寺岡葵「五感で鑑賞いかが 県立美術館 障害者向けの作品やガイド紹介」『中日新聞』(三重版)2021年7月9日付
谷口大河「触れて豊かな芸術鑑賞 感染対策と並行、展示に工夫」『中日新聞』2021年7月10日付
趙宜恬「藝術近用―多感官欣賞的激請 三重縣立美術館的文化近用計畫」『藝術家』557号、2021年10月、320-327頁(繁体中文)
「作品や教材を“さわる” “聴く”三重県立美術館で多感覚観賞」(CBCテレビ「チャント!」内「よしお兄さんのもっとパパにみえてきましたね」)2021年7月14日
厚生労働省障害者芸術文化活動普及事業「ビジョンを共有して工夫や気づきを蓄積する—三重県立美術館」(特集記事)2022年3月
https://arts.mhlw.go.jp/spc/12710.html

鈴村麻里子「コロナ禍とアクセシビリティ――三重県立美術館の場合」ICOM日本委員会オンラインジャーナル、2021年8月20日
https://icomjapan.org/journal/2021/08/20/p-2535/
同「美術館のアクセシビリティ向上―利用者との連携を通して」文化庁広報誌ぶんかる、2021年9月29日
https://www.bunka.go.jp/prmagazine/rensai/museum/museum_058.html
 

会場風景

アクセス展第1章の展示風景 佐伯祐三の油彩画の前に触図やパズル等の補助教材を設置している
第1章

アクセス展第2章の展示風景 感覚にまつわる絵画や彫刻が展示されている
第2章

アクセス展第3章の展示風景 彫刻をさわって鑑賞できるように展示
第3章

アクセス展第4章の展示風景 元永定正のカラフルな抽象画が並ぶ
第4章


出品リスト

出品作品のリストは【こちら

 

参考

三重県立美術館「『美術にアクセス!――多感覚鑑賞のすすめ』展詳細ページ」
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/000250135.htm
三重県立美術館「『美術にアクセス!――多感覚鑑賞のすすめ』展 会場配布リーフレット オンライン版」
https://www.bunka.pref.mie.lg.jp/art-museum/000249533.htm


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このページは紙の事業報告書の3-4ページに相当します(加筆修正、順番入替あり)。一部の図版は割愛しています。写真撮影はすべて松原豊による。
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