B-企画展-4
年報2011年度版 【藤島武二・岡田三郎助展 近代日本洋画の理想郷】
2011年9月10日(土)~10月23日(日)
【主催】...三重県立美術館、朝日新聞社
【後援】...津市、津市教育委員会、三重エフエム放送、三重テレビ放送、NHK津放送局
【助成】...公益財団法人岡田文化財団、財団法人三重県立美術館協力会
【企画協力】...財団法人日動美術財団
【担当】...田中善明、鈴村麻里子
【デザイン】...酒井田デザイン事務所(酒井田成之)
展覧会概要
三重県ゆかりの画家・藤島武二(1867-1943)と、そのライバルともいえる岡田三郎助(1869-1939)は、明治から昭和戦前期にかけて数々の名作を残し、さらにはよき教育者としてともに日本の洋画界を先導しました。互いの考えや表現は異なるものの、彼らの経歴について見れば多くの重なる部分があります。二人は洋画を曾山幸彦の画塾に学び、1891(明治24)年明治美術会会員となり、その5年後にはともに東京美術学校助教授に任命されました。その後ヨーロッパへ向かった時期は8年もの隔たりがあり、このことが二人の画風形成に大きく影響したといわれていますが、いずれも文部省留学生としてパリの地を踏みます。そして1912(明治45)年6月には本郷洋画研究所を設立し、後進の指導にあたりました。
大正期の藤島は帰国後長い模索の時期を経たのち、ようやく大正末頃から《東洋振り》《芳蕙》などの肖像画で新たな境地へと向かいました。それはイタリア・ルネサンス期の巨匠たちによる肖像画から感じた東洋的精神がヒントになったと伝えられています。一方岡田は黒田清輝が目指した高い芸術性や思想に従いながらも、装飾的な美を織り交ぜた独自の画風を実現しました。
今回の展覧会は、そうした共通点の多い二人の経歴・画業を振り返りながら、それぞれの目指した方向が彼らの活躍した時代に、どのように反映されていったのかを探ることを目的とした。特にそれぞれの画業のなかで、女性像の表現の違いを見比べ、特徴をとらえることとした。また、二人は教育者としての実績があることから、常設展示室では特集展示として二人に師事した作家の作品なども展示した。
会期中のイベント
○お茶会
開催日時: 9月23日(金・祝)、24日(土)、25日(日)
会場: 三重県立美術館エントランスホール
○講演会 「美の競演―近代を駆け抜けた画家 藤島武二と岡田三郎助」
開催日時: 10月1日(土) 14時―15時
会場: 三重県立美術館講堂
特集展示 藤島武二・岡田三郎助ゆかりの画家たち
美術館のコレクション 2011年度第2期 2011年6月28日(火)―9月25日(日)
美術館のコレクション 2011年度第3期中 2011年9月27日(火)―10月23日(日)
主な記事等
中日新聞
「美術館だより 藤島武二《縮図帖》」(鈴村麻里子) 2011.9.18
「美術館だより 岡田三郎助《野菊と薔薇》」(鈴村麻里子) 2011.10.2
「美術館だより 藤島武二《東海旭光》」(鈴村麻里子) 2011.10.16
「美術館だより 岡田三郎助《丹霞郷》」(鈴村麻里子) 2011.10.23
○田中善明「いろいろな眼 藤島武二・岡田三郎助展を振り返って」 友の会だより88号 2011年11月発行