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美術館 > 刊行物 > HILL WIND > Hill Wind (vol.1~10) > 「名品でたどる近代工芸のあゆみ展」を終えて

「名品でたどる近代工芸のあゆみ展」を終えて

この展覧会は、東京国立近代美術館の全面的なご協力により開催したものです。作品の選択等についてもさまざまな好意的なアイデアをいただきましたし、陳列および撤収の時には立ち会っていただきました。また、開会式には東京国立近代美術館の辻村館長が来館され、挨拶をしていただいています。

 

展覧会開催中には、美術館学芸員によるギャラリートークのほか、毎週日曜日には、美術館ボランティア欅の会の方々による工芸技術映画の上映会(ビデオは東京のポーラ伝統文化振興財団から借用)があり、毎週土曜日にはエントランスホールの一郭で、美術館友の会の方々によって、お茶会がおこなわれました。

 

また11月5日には、三重県スペイン文化交流協会、津市国際交流協会との共催で、宇田川貞夫(ヴィオラ・ダ・ガンバとヴォーカル)、高本一郎(キタローネ)両氏によるが催されました。

 

さらに、ほぼ同時期に県民ギャラリーで、「染谷亜里可展」が開催され、10月8日には作者のギャラリートークがあったことなど、ずいぶんいろいろな事業があって、大変にぎやかでした。あらためて三重県立美術館は、こうした多くの人々の協力によって活動しているのだということを実感しました。

 

ところで、会期中何度か、ギャラリートークや団体への案内をすることがありました。そうした折、来館者はおおむね、熱心に解説を聞いていただいていたのですが、なかでも、それぞれの作品の技法に特に深い関心を持って、聞いていたように思いました。

 

陶芸の土や釉薬のこと、染織の染めの方法、羅や紗の複雑な織り方、蒔絵や螺鈿の技法、金工のいろいろな制作技法等々です。工芸は、素材がまず基本にあり、素材の特色をどう表現に結びつけるかについては、技術の力が大きいのは確かです。しかし、そこに重きを置くあまり、技術中心となってしまい、まるで細工物のようになっては美術としての意味がなくなります。 近代の工芸は、技術的追求と個性的な美の表現について、どう考えてきたか。作品の中にどう表現してきたかといったことを見ることも重要ではないでしょうか。

 

(Sm)

 

年報 名品でたどる近代工芸のあゆみ展

《教育の現場から》展示風景

展示風景

 

お茶会の様子

お茶会の様子

 

ミュージアムコンサート

ミュージアムコンサート

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