2021年 美術館のアクセシビリティ向上推進事業 報告書オンライン版
3.利用者・未利用者調査
(1)基本情報
アンケート実施期間:2021年9月22日(水)-10月11日(月)
回答者数:820名(対象者数1,182名、回答率69%)
担当:鈴村麻里子
(2)概要
この調査には、三重県が各種の行政課題について事前登録した三重県民を対象に行う電子アンケートシステム「e-モニター制度」を利用した。美術館を利用したことがない「未利用者」は、美術館が想定する「利用者」から零れ落ちることもある。今回のアンケートでは、未利用者を含む820人に9つの質問をした。グラフを含む結果は【e-モニターのウェブページ】にて公開中。このページでは、アンケート結果の一部を紹介する。
(3)アンケート結果(抜粋)
【Q1】県立美術館について
あなたは、津市にある県立美術館を知っていますか。(820人)
①知っている |
682人 |
83% |
②知らない |
138人 |
17% |
【Q3】県立美術館への来館回数について
今まで県立美術館に何回行ったことがありますか。(820人)
①1回 |
118人 |
14% |
②2回 |
77人 |
9% |
③3回 |
39人 |
5% |
④4回以上 |
171人 |
21% |
⑤行ったことがない |
415人 |
51% |
【Q1】の美術館認知度の質問では、「知っている」と答えた人が83%だが、実際来館したことがある方は、それを下回る49%だということが分かる。
【Q5】 県立美術館へ来館したことがない理由について
Q3で「行ったことがない」を選んだ方にお聞きします。県立美術館に来館したことがない理由は何ですか。あてはまるものをすべて選んでください。(415人、819回答)
①存在を知らなかったから |
112人 |
27% |
②近くにないから |
239人 |
58% |
③行く時間がないから |
77人 |
19% |
④友人や家族に行こうと誘われないから |
35人 |
8% |
⑤見たいものがないから |
70人 |
17% |
⑥興味がないから |
95人 |
23% |
⑦難しそうだから |
18人 |
4% |
⑧つまらなそうだから |
22人 |
5% |
⑨敷居が高い印象があるから |
44人 |
11% |
⑩何をやっているのか情報が得られないから |
90人 |
22% |
⑪その他 |
17人 |
4% |
県立美術館にこれまで来館したことがない理由としては、「近くにないから」という回答が最多で(239人、58%)、全体の半数以上が選択。次に多い回答が「存在を知らなかったから」で112人(27%)が選んでいる。「その他」の理由としては、「コロナ禍だから」「子どもがまだ小さいから」等が挙げられた。
【Q7】 美術館の印象について
県立美術館に限らず美術館全般に対してお持ちの印象、イメージについて、あてはまるものをすべてお選びください。(820人、2111回答)
①静かな場所 |
675人 |
82% |
②いやされる場所 |
285人 |
35% |
③高級な場所 |
119人 |
15% |
④わくわくする場所 |
79人 |
10% |
⑤教養や知識を深める場所 |
447人 |
55% |
⑥感性をみがく場所 |
471人 |
57% |
⑦人と交流する場所 |
19人 |
2% |
⑧その他 |
16人 |
2% |
美術館全般の印象については、「静かな場所」が最も多く、回答者の8割を超える675人(82%)の人が選択した。次いで「感性をみがく場所」が471人(57%)、3番目が「教養や知識を深める場所」で447人(55%)。「その他」の印象としては、「美術に対する興味や知識がある人が行く場所」「子連れでは行きにくい場所」という意見が見られた。
【Q8】 県立美術館に期待する役割について
県立美術館に期待する役割は何ですか。あてはまるものをすべて選んでください。(820人、2538回答)
①世界各地の貴重な美術作品を見る場所 |
512人 |
62% |
②三重県ゆかりの美術について知る場所 |
406人 |
50% |
③大切な作品を保管する場所 |
275人 |
34% |
④すべての人が美術や美術館について学べる場所 |
316人 |
39% |
⑤美術を通してさまざまな人と交流できる場所 |
80人 |
10% |
⑥多様な価値観に触れ、自分の世界を広げられる場所 |
383人 |
47% |
⑦三重県の芸術活動を支援する場所 |
268人 |
33% |
⑧次世代を担う子どもたちが美術を楽しめる場所 |
282人 |
34% |
⑨その他 |
16人 |
2% |
最も多かった回答は「世界各地の貴重な美術作品を見る場所」で512人(62%)、次が「三重ゆかりの美術について知る場所」で406人(50%)、次いで「多様な価値観に触れ、自分の世界を広げられる場所」で383人(47%)。9つの選択肢のうち6つを、3分の1以上の回答者が当館に期待する役割として選んでいる。この選択肢は「三重県立美術館のめざすこと」を参照しながら設定した。
【Q9】 県立美術館についてのご意見について
県立美術館を利用した印象や感想、これからの活動に向けてご意見があれば、お聞かせください。(自由記述、282人)
この質問には全体の3分の1を超える282人が回答。施設や展示に関する意見(「敷居が高い」「静かな空間で落ち着いて見られる」)、広報や情報発信に関する意見(「情報をネットやSNSなどで案内してほしい」「もっと広く県民に伝わるような情報提供が必要」)、子どもや学校の利用に関する意見(「子連れでも行きやすい美術館に」「授業の一環として見学出来れば」)、交通アクセスに関する意見(「場所的に分かりづらい」「遠いからよほどの用事がないと行けない」)等があった。また、アンケートを機に「行ってみたい」と思った人、コロナ禍が落ち着いたら「芸術や文化に触れる時間を作り、心の余裕を感じたい」という人もいた。
(4)参考
三重県立美術館「2021年度 県立美術館 e-モニターアンケート実施報告書」2021年(PDF版)
https://www.pref.mie.lg.jp/common/content/001047717.pdf
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このページは紙の事業報告書の16ページに相当します。項目を増やして加筆修正し、グラフは割愛しています。
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