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美術館 > 展覧会のご案内 > 常設展(美術館のコレクション) > 2013 > 常設展示2013年度第2期(2013.7-2013.9)

これまでの常設展示 

美術館のコレクション(2013年度常設展示第2期)

2013年7月2日(火)‐9月29日(日)
 

出品作品リスト

 第1室 西洋と日本の近現代美術 -収差のなかのフランス- 

 

 杉本博司が「建築」シリーズにおいて写し出した世界の著名な建造物は、決して焦点を結ばないままぼんやりとした輪郭を保っています。しかし、そのように撮影された《ノートルダム・デュ・オー礼拝堂》であってなお、特徴的な屋根のかたちやランダムな窓の配置に、建築家ル・コルビュジェ独自の創意を見ることができます。本シリーズは、輪郭をにじませ細部をそぎ落とすという逆説的な方法で、あるものの「そのものらしさ」を探求する試みとも言えるでしょう。

シャルル・メリオンやウジェーヌ・アジェは、名もない路地や店構えなどを版画や写真に残し、当時彼らがイメージしていた、「失われゆくパリ」を、現代のわたしたちにも伝えてくれています。

印象派による移り変わる光の情景。デュフィが描いた軽やかなモダン都市。古代ギリシャと地中海でつながる、マイヨールの南仏。エッフェル塔上を浮遊するシャガールの恋人たち。そして、ジャコメッティとしばしば結び付けられる実存主義…。

それぞれの作家が描き出した異なるイメージは、決して単一像へと収束しないまま重なりあい、私たちの心の中にぼんやりとした輪郭をかたちづくっています。そのにじんだシルエットこそが、私たちを惹きつけてやまない「フランスらしさ」に相違ありません。

※しゅうさ【収差】[理](abberation)一点から放射された光が、レンズ・鏡などを通過した後に、正確に一点に集まらず、点像を生じない現象。球面収差と色収差とに大別。

 

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作者名 生没年 作品名 制作年 材質 備考
アジェ、ウージェーヌ 1857-1927 居酒屋の雌鹿の看板、ジェフロワ=サン=イレーヌ街35番地 制作年不詳(モダンプリント) ゼラチン・シルバープリント (株)ツァイト・フォト寄贈
メリヨン、シャルル 1821-1868 ノートル・ダム橋のアーチ 1853年 エッチング、ドライポイント・紙  
メリヨン、シャルル 1821-1868 プチ・ポン 1850年 エッチング、 ドライポイント・紙  
ヨンキント、ヨハン・バルトルト 1819-1891 オランダ風景銅版画集  6点組+扉絵 1862年 エッチング・紙  
ヨンキント、ヨハン・バルトルト 1819-1891 オンフルールの木の桟橋 1865年 エッチング・紙  
ルノワール、オーギュスト 1841-1919 青い服を着た若い女 1876年頃 油彩・キャンバス  (財)岡田文化財団寄贈
モネ、クロード 1840-1926 ラ・ロシュブロンドの村(夕暮れの印象)  1889年 油彩・キャンバス (財)岡田文化財団寄贈
ドガ、エドガー 1834-1917  裸婦半身像   1891年頃    コンテ、赤チョーク・紙     
トゥルーズ=ロートレック、アンリ・ド 1864-1901 ムーランルージュのイギリス人 1892年 リトグラフ・紙  
ルドン、オディロン 1840-1916 ベアトリーチェ 1897年 リトグラフ・紙  
シャガール、マルク 1887-1985 1956-62年 油彩・キャンバス (財)岡田文化財団寄贈
ユトリロ、モーリス 1883-1955 風景 制作年不詳 油彩・キャンバス 寄託品
デュフィ、ラウル 1877-1953 黒い貨物船と虹 1949年頃 油彩・キャンバス (財)岡田文化財団寄贈
ジャコメッティ、アルベルト 1901-1966 壜のあるアトリエ 1957年 リトグラフ・紙  
ジャコメッティ、アルベルト 1901-1966 立てる裸婦 1961年 リトグラフ・紙  
ザッキン、オシップ 1890-1967 ヴィーナスの誕生 1930年 ブロンズ 岡三証券寄贈
ザッキン、オシップ 1890-1967 雲へのあいさつ 1956年 水彩、油彩・紙 第三銀行寄贈
前田寛治 1896-1930 風景 1924(大正13)年頃  油彩・キャンバス  
小出楢重 1887-1931 パリ・ソンムラールの宿 1922(大正11)年 油彩・板  
佐伯祐三 1898-1928 サンタンヌ教会 1928(昭和3)年 油彩・キャンバス  
山口薫 1907-1968 シュミーズの女 1931(昭和6)年 油彩・キャンバス  
山田新一 1899-1991 婦人像 1929年頃 油彩・キャンバス  
岡鹿之助 1898-1978 廃墟 1962(昭和37)年 油彩・キャンバス  
金山康喜 1926-1959 静物 1951(昭和26)年頃 油彩・キャンバス  
田中阿喜良 1918-1982 ケ・ド・メトロ 1970(昭和45)年頃 油彩・キャンバス  
斎藤清 1907-1997 セーヌ・古本屋・パリ 1978(昭和53)年 紙本墨画着色 作者寄贈
杉本博司 1948‐ ノートルダム・デュ・オー礼拝堂 1998年 ゼラチンシルバープリント 寄託品
マイヨール、アリスティード 1861‐1944 歩むマリー 制作年不詳 ブロンズ 寄託品

 

2室 特集展示1 橋本平八と平櫛田中賞の作家たち

 

 

橋本平八(1897‐1935)は、現在の伊勢市朝熊町に生まれた三重県ゆかりの彫刻家です。1919年に上京、佐藤朝山に入門し、日本美術院展に木彫を出品するなど活躍をしました。1926年には郷里に戻って制作活動を行い、《石に就て》などの代表作を残しますが、1935年に39歳で早逝します。

そんな橋本平八を高く評価したのが平櫛田中(1872‐1979)でした。107歳の長寿を全うした平櫛は、明治・大正・昭和に渡って活躍し日本近代彫刻史に大きな足跡を残しています。昨年、当館でも展覧会を開催し、多くの皆様に足を運んでいただきました。

その平櫛の業績を後世に伝えるとともに、優秀な彫刻家を顕彰するため毎年贈られる平櫛田中賞は、彫刻家自身が、彫刻界の発展に役立てたいと寄附した浄財によって設立されました。現在は、出生地である井原市が主管し、昨年、第26回目を迎えています。

本展示室では、第20回受賞者・三沢厚彦による展覧会「ANIMALS 2013 in 三重」(2013年7月13日-9月23日)の開催を記念して、平櫛田中賞受賞作家と、平櫛ゆかりの彫刻家橋本平八の作品を、収蔵品のなかからご紹介します。

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作者名 生没年 作品名 制作年 材質 備考
橋本平八 1897-1935 石に就て   附 原石 1928(昭和3)年 寄託品
橋本平八 1897-1935 猫 A  1922(大正11)年  
橋本平八  1897-1935 猫 A 1922 (大正11)年 ブロンズ(1991年鋳造)  
橋本平八 1897-1935 弁財天 1927(昭和2)年  
橋本平八 1897-1935 老子 B 1932(昭和7)年  
橋本平八 1897-1935 俳聖一茶 1935(昭和10)年  
橋本平八 1897-1935 老子 A(老子木像) 1925(大正14)年  
橋本平八 1897-1935 達磨像 1925(大正14)年 木、彩色 寄託品
橋本平八 1897-1935 善財童子 1931(昭和6)年 寄託品
橋本平八 1897-1935 山鳩 1934(昭和9)年 寄託品
橋本平八 1897-1935 東方朔 1935(昭和10)年 寄託品
橋本平八 1897-1935 人形像 1925(大正14)年 木、彩色 寄託品
橋本平八 1897‐1935 達磨像 1930(昭和5)年 木、彩色  
橋本平八 1897-1935 少女立像 1925(大正14)年 木、彩色 寄託品
橋本平八 1897-1935 成女身 1926(大正15/昭和元)年     
江口週 1932- あるはじまりのかたち2 1984(昭和59)年  
小清水漸 1944- 作業台 水鏡 1981(昭和56)年 シナ合板、ウレタン塗装、水  
澄川喜一 1931- そぎとそり 1975(昭和50)年  
保田春彦 1930- 柱と壁 1989(平成1)年 作者寄贈
山本正道 1941- エトルリアの壺 1985(昭和60)年 ブロンズ  
戸谷成雄 1947- 連句的から(編まれた石) 2002(平成14)年 土、針金 寄託品
戸谷成雄 1947- 双影塊 2006(平成18)年 木、石灰、アクリル 寄託品

 

第3室 特集展示2 植物をめぐる対話-植物担当学芸員と美術館学芸員の交差するまなざし- 

 

 

植物は、季節を表現するだけではなく、ときに物語を読み解くヒントになり、ときに吉祥の寓意を示し、洋の東西を問わずさまざまな絵画に描かれてきました。その多様な作品の数だけ、美術史学における研究も豊饒さを誇っています。

しかしながら、本展示室では、植物の美術史上の意味や役割を解説することには焦点をあてていません。むしろ、美術の知識がない状態で、自然界に存在する観察対象として植物を見つめると、その絵画はどのように見えて来るのか。美術の知識に基づかない鑑賞は、誤った解釈を生んでしまうにすぎないのか。そうしたことを考察しながら、植物の描かれた絵画の鑑賞を深めていくことを目指します。

そのため、特別ゲストとして、植物担当学芸員M氏にご登場願います。
山に分け入れば何十何百と目に入ってくる草木は、区別がつかなくては、視界を覆う混沌でしかありません。その混沌のなかから植物を種類ごとに見分けることができるのが植物担当の学芸員です。そのまなざしは、きっと、美術を見慣れた眼とは異なったかたちで鍛えられているはずです。

植物に関しては素人の美術館学芸員と、絵画鑑賞初心者の植物担当学芸員が、植物の描かれた絵画を一緒に見たならば…。

二人のおしゃべりに耳を傾けてみてください。

※本特集展示は、三重県立博物館学芸員・森田奈菜さんにご協力いただきました。

但し、展示解説等の文責は当館担当学芸員・吉田映子にあります。

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作者名 生没年 作品名 制作年 材質 備考
山口啓介 1962- 草上の昼食 1988(昭和63)年 銅版,木版・紙  
恩地孝四郎 1891-1955 白い花 1941(昭和16)年 (1988年再刷) 木版・紙  
長谷川潔 1891-1980 版画集「ポートレート」   1963(昭和38)年 銅版画・紙  
宇田荻邨 1896-1980 花畑(下絵) 1923(大正12)年 淡彩・紙 (財)岡田文化財団寄贈
ブレスダン、ロドルフ 1822-1885 鹿のいる聖母子 1871-78年 リトグラフ・紙(エッチングによる原画を転写)  
ジャコメッティ、アルベルト 1901-1966 1965年 エッチング・紙  
ニコルソン、ベン 1894-1982 パロスの木 1968年 エッチング、 アクアチント・紙  
牧野虎雄 1890-1946 梧桐 1923(大正12)年 油彩・キャンバス  
小出楢重 1887-1931 六月の風景 1929(昭和4)年 油彩・キャンバス  
梅原龍三郎 1888-1986 霧島 1936(昭和11)年 油彩・キャンバス (財)岡田文化財団寄贈
前田青邨 1885-1977 1914-15(大正3-4)年 絹本着色  
菱田春草 1874-1911 薊に鳩図 1901(明治34)年 絹本着色  
荒木十畝 1872-1944 後園秋色 制作年不詳 絹本着色 寺岡富士氏寄贈
新井謹也 1884-1966 呉須絵牡丹文花瓶 1929(昭和4)年頃 陶器  
新井謹也 1884-1966 呉須草花文花瓶 1935(昭和10)年 陶器 奥村東治氏寄贈
菊池芳文 1862-1918 白菊図 制作年不詳 紙本金地著色 寺岡富士氏寄贈
菊池芳文 1862-1918 牡丹図 制作年不詳 絹本着色 寺岡富士氏寄贈
増山雪斎 1754-1819 百合に猫図 制作年不詳 絹本墨画着色  
増山雪斎 1754-1819 雁図 1815(文化12)年 絹本着色  
川村清雄 1852-1934 梅と椿の静物 制作年不詳〔1929(昭和4)年以前〕 油彩・絹 藤井一雄氏寄贈
安藤仲太郎 1861-1912 梅花静物 1889(明治22)年 油彩・板  
小室翠雲 1874-1945 春庭幽艶図 老圃秋容図 1919(大正8)年 絹本着色 寺岡富士氏寄贈
川上冬崖+藤堂凌雲 1827-1881 花卉図 1879(明治12)年 絹本着色  
長原孝太郎 1864-1930 板絵 草花図 (11点) 制作年不詳 他 油彩・板 長原坦氏寄贈
シシリア、ホセ・マリア 1954- 衝立 小さな花々 IV   1998年 油彩、蝋、紙、板  
シシリア、ホセ・マリア 1954- 衝立 小さな花々 V   1998年 油彩、蝋、紙、板  


 

2階ギャラリー

 

作家名 生没年 作品名 制作年 材質 備考
石井厚生 1940- 時空―147 2003(平成15)年 煉瓦、モルタル、他  
飯田善國 1923-2006 Xのコンストラクション 1987(昭和62)年 木・著色麻ロープ  
柳原義達 1910-2004 道標・鳩 1973(昭和48)年 ブロンズ 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1973(昭和48)年 ブロンズ 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1977(昭和52)年頃 ブロンズ 柳原義達氏寄贈
道標・鳩 1979(昭和54)年 ブロンズ 柳原義達氏寄贈
風の中の鴉 1981(昭和56)年 ブロンズ 柳原義達氏寄贈
風の中の鴉 1982(昭和57)年 ブロンズ 柳原義達氏寄贈
道標・鴉 1978(昭和53)年 ブロンズ 柳原義達氏寄贈
道標・鴉 1978(昭和53)年 ブロンズ 柳原義達氏寄贈

 

エントランスホール

 

作家名 生没年 作品名 制作年 材質 備考
多田美波 1924- 1982(昭和57)年 テラコッタ・ステンレス板  
江口週 1932- ふたたび翔べるか-柱上の鳥 1988(昭和63)年  

 

屋外、中庭

芝生 2011年5月21日

マンズー、ジャコモ 1908-1991 ジュリアとミレトの乗った大きな一輪車 1973年 ブロンズ 百五銀行寄贈
元永定正 1922-2011 椅子 2002(平成14)年 陶器 作者寄贈
石井 厚生 1940- 時空―166  2005(平成17)年 煉瓦、モルタル他  
井上武吉 1930-1997 my sky hole 82 1982(昭和57)年 鉄,ステンレス・スティール  
田畑進 1944- NOKOSARETA-KATATI 1982(昭和57)年 ステンレス・スティール, 黒御影石  
湯原和夫 1930- 無題 No.8-82 1982(昭和57)年 鉄, ステンレス・スティール  
井上武吉 1930-1997 my sky hole 85-6 1985(昭和60)年  
梶滋 1951- 円柱とその周辺 1986(昭和61)年 アルミニウム  
八ツ木のぶ 1946- 象と人(異邦の夢) 1988(昭和63)年 ステンレス・スティール、ウレタン彩色  
番浦有爾 1935- 1990(平成2)年 ブロンズ(台座は白御影石)  
多田美波 1924- 作品 91 1991(平成3)年 ステンレス・スティール  
松本薫 1952- Cycle-90° 1992(平成4)年 ステンレス・スティール  
石原秀雄 1951- 暗室の王 1994(平成6)年 白御影石  

中庭 2011年5月21日

 

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