【石井厚生レンガ彫刻展】―西風と東風のまにまに―
2009年10月24日(土)~12月6日(日) 三重県立美術館 |
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石井厚生は、多摩美術大学で建畠覚造(1919~2006)の薫陶を受け、1960年代から作品発表を始めました。初期の金属作品や1980年代以降の石彫を経て、2000年代に入ると石井はレンガを素材として採用します。 その制作法は独特で、先ずレンガはモルタルで接着されて直方体に積み重ねられます。こうしてできたレンガの塊から作品が生まれます。石や木の塊から彫刻がつくられるように、大きなレンガの塊から彫刻が彫り出されるというわけです。 レンガ彫刻の表面には、レンガの赤茶色とモルタルの灰白色とが織りなす様々な文様が現れます.レンガ彫刻は、空間や構造など三次元的な問題とともに、表面の質感、色彩などの問題を私たちに投げかけます。実は、レンガを接合しているモルタルには、イギリスの美術批評家ハーバート・リード(1893-1968)の著書『近代彫刻史』を繊維状にした紙片が混ぜられています。それは、彫刻芸術の根源を追究しようとする作家の強い意志の現れということができるでしょう。 (毛利伊知郎) |
石井厚生・略年譜
主な個展
主なグループ展
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同時開催
【大橋歩展】
2009年10月24日(土)-12月6日(日)
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