子ども美術館展が、いつのまにか(性懲りもなく)7回目を迎えました。これまでのテーマは、「こわいって何だろう?」「これ、何なんなん?」「びじゅつはリズム?」「さくひん解剖学」「ステキな視界・新たな世界」と、作品へのいろんなアプローチを試みてきました。
そんな、数限りない作品鑑賞術のなかから今年の夏は「お気に入りをさがせ!」をテーマに美術館コレクションをご紹介します。街のお店で自分のお気に入りのものをさがしたり、ふらっとのれんをくぐった食堂のメニューの多さに翻弄されつつも、想像力をふくらませて慎重に選んだりする楽しい感覚は、多くの人がお持ちだと思います。自分にとってのお気に入り、それを探し他のものとの比較を重ねてみると、いつのまにか自身の個性が自覚・分析され、深まっていくような気がします。
今回は、お気に入りの作品を見つけていただくだけでなく、時にはその中に描かれたお気に入りの色やかたち、そして人物など、細部にも眼を凝らしていただき、これまで気づかなかったご自分の別の好みまでをも発見していただければ、という企画です。あらためて申し上げるまでもないことですが、魅力ある作品は部分と全体とが響きあっています。ところが、作品の細部は、日ごろから親しんだものでさえ、じっくり見ているようで見落としている場合もあり、思わぬ発見が時としてあります。こんなところにへんてこなカタチを見つけたけれど、それが作品全体の良きスパイスとなっていたなんてことは珍しくありません。展覧会の企画者本人も、まだまだ見つけられていないものがたくさんありますが、そんな細部の楽しみを、キャラクターのキツネやタヌキが、強引な展開でけん引します。余計なお世話ですが、だまされたと思って一度、引きずられてみられてはいかがでしょうか。
また、この展覧会の最後の部屋は、美術すごろく、ぬりえ、魚つり、美術かるた、素材当てゲームなど、県内の学校の先生の力をお借りし、三重県にある美術館ならではの遊びスペースとなりました。展覧会、中学生以下は無料です。
(Ty)
年報 子ども美術館part7
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