年報2023年度版 Y2 project 藤原康博 記憶の稜線を歩く
2023年11月3日(金・祝)~2024年2月4日(日)
開催日数 76日
【会場】三重県立美術館 柳原義達記念館
【主催】三重県立美術館
【助成】柳原操基金・柳原義達顕彰事業、公益財団法人三重県立美術館協力会、公益財団法人岡田文化財団、公益財団法人朝日新聞文化財団
【協力】MORI YU GALLERY
入場者数:4,739人 1日平均約62人
担当:鈴村麻里子、原舞子
展覧会の概要
三重県立美術館は、戦後日本の具象彫刻界を代表する彫刻家・柳原義達(やなぎはら・よしたつ、1910-2004)からの作品寄贈を機に、2003年に柳原義達記念館を開設した。以来、同記念館では柳原の作品・資料を常時公開し、その顕彰に努めている。2019年には、作家ご遺族の援助により、次代を担う美術家を発信する新たな事業としてY² project(ワイワイプロジェクト)が始動。同事業第二弾となる本展では、藤原康博(ふじわら・やすひろ、1968年生まれ)を紹介した。
三重県松阪市出身の藤原は、国内の美術大学を卒業後、ロンドンに学び、現在は三重県伊賀市を拠点に制作を行っている。藤原はこれまで「記憶」や「あいだ」への関心に基づき、意識に潜在するイメージと現実の風景にあわいにある山や森等を表してきた。本展の開催にあたり、藤原が自身の作品と柳原の作品をつなぐキーワードとして見出したのは「稜線(りょうせん)」である。一見すると線状でありながら、複雑な奥行を持つ「稜線」が架け橋となり、コラボレーションが展開された。会場では、藤原が描く山並みにシルエットが呼応するように、柳原の彫刻作品が展示された。
2023年12月下旬からは、会場風景や作家のテキストを収めた34頁の冊子を配布した(撮影:表恒匡、デザイン:豊永政史)。藤原の個展開催時に発行された印刷物としては、最も大部の冊子となった。また、会期中には作家が折に触れて在館し、来館者と積極的にコミュニケーションを図ったことが、来館者からも好評を得た。
会場風景
会期中のイベント
アーティストトーク
日時:① 2023年12月16日(土)14:00~14:30
② 2024年1月21日(日)11:00~11:30
場所:柳原義達記念館
参加者数:29人(12月)、45人(1月)
※文字起こし原稿を展覧会詳細ページに掲載
ワークショップ「記憶の山をつむぐ」
記憶に残る山、心のなかにある山などを紙に描き、できあがった作品の稜線をつなげるワークショップ。
講師:藤原康博
①教育支援センター「こもれび」でのワークショップ
日時:2024年1月19日(金)13:30~15:10
対象:「こもれび」利用生徒、スタッフ
場所:教育支援センター「こもれび」(三重県総合教育センター内/不登校支援の機能をもつ)
参加者数:5人
②美術館でのワークショップ
日時:2024年1月21日(日)14:00~16:00
場所:美術体験室
参加者数:8人
主なメディア掲載
「次世代を担う美術家・藤原康博の企画展(取材映像)」、三重テレビ「Mieライブ」、2023年11月5日
鈴村麻里子「迷宮~記憶の稜線を歩く~」『中日新聞(三重版)』、2023年12月23日付
同「あいだの橋」『中日新聞(三重版)』、2024年1月20日付