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年報2020年度版 企画展 コレクションによる特別展示 ステイミュージアム

2020年7月2日(木)―9月6日(日)
開催日数:58日間

【会場】 三重県立美術館 企画展示室1-3室、常設展示室2室
【主催】 三重県立美術館

【担当】 原舞子

【入館者数】2,780人(有料1,845人 無料935人)
 

展覧会の概要

 2020年は、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が発生し、世の中のあらゆることが揺れ動いた。私たちを取り巻く社会環境は大きく変化し、「新しい生活様式」の実践が求められている。当館も新型コロナウイルスの影響を受け、2月末より断続的に臨時休館を行った。また、今年度予定していた企画展のうち2本は、感染拡大防止のため、また開催準備が困難なことから中止とした。しかし、このような状況であるからこそ、人々の心を豊かにするために優れた芸術作品に触れる機会を提供する美術館としての役割を果たすべく、当館のコレクション(所蔵作品)を活用した展示を企画した。
 「第1部:今日の1点」では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための休館中(4月~5月)に行ったSNSでのコレクション情報発信を展示として再構成した。休館中、公式ツイッターでは、各週のテーマを定め、そのテーマに沿った作品をコレクションの中から選び、当館に在職する7人の学芸員が各自の専門分野を生かして作品紹介を行った。ツイッター上で取り上げた作品を可能な限り展示室にテーマごとに配置し、つぶやいた文字を解説文としてキャプションに掲出し、作品とともに並べて展示した。第1部は来館者による写真撮影も可とし、SNSへの投稿を呼びかけた。
 「第2部:非常時の美術」は、約100年前に世界中で猛威をふるったスペイン風邪(インフルエンザ)と、スペイン風邪が遠因となってわずか20歳で命を落とした画家、関根正二を起点とし、過去100年のあいだの疫病、震災、戦争、災害、闘争といった混乱期を生きた作家、作品を取り上げて展示した。コレクションをベースに構成したため、従来の美術館での企画展で取り上げられてきた、あるいは取り上げるべき作品が不足するという限界はあったものの、一方、近代美術を中心に収集してきた当館のコレクションの特色を反映する展示となり、また中央集権的な美術史の中では取り上げられてこなかった事象、作家を積極的にすくい上げることにより、地域の美術史に眼を向ける大きな機会となった。さらに、第2部の最後では、三重県内で活動する若手作家にも特別参加してもらい、2020年のコロナ禍の社会を生きる作家の目線で制作された作品も展示した。本展は、美術館が過去の遺物を展示する場ではなく、現在の社会とそこに生きる人々のための場であることを提示する機会となった。
 「第3部:コレクションによる宇田荻邨展」は、4月18日から5月31日にかけて開催を予定していた「没後40年 宇田荻邨展」が中止となったことから、当館所蔵と寄託作品を展示する特集展示として構成した。
 企画展の中止を受けて急遽準備、開催した展覧会であったため、チラシ、ポスター等の広報印刷物の用意が叶わず、十分な広報活動が行えなかった。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により移動制限等も行われていたさなかであったため、集客には苦戦した。一方、コロナ禍での美術館活動のいち早い反応の例として、地元のみならず全国からメディアの取材を受けた。
 

会場風景

 

 

主な記事

新聞記事

『産経新聞』(三重版) 
7月7日(火)「未曽有の危機 考える特別展 県立美術館「ステイミュージアム」」 

『中日新聞』(津版) 
7月7日(火) 「疫病、震災、戦争 芸術作品でどう捉えた 県立美術館で特別展」

『朝日新聞』(三重版) 
7月21日(火) 「今日の1点」じっくり 県立美術館で特別展 

 『中日新聞』(東海版) 
8月7日(金) 文化面 「新様式 美術館も模索 展示と感染症対策を両立/作品なし・所蔵品を紹介」 

『毎日新聞』(三重版) 
8月13日(木) 「ステイミュージアム展」休館中ネットで紹介、洋画など「実物見て」 県立美術館/三重  

『毎日新聞』(大阪本社版) 
8月19日(水) 「「非常時」100年の美術史 三重県美で特別展」

その他(連載)

『中日新聞』(三重版) 美術館だより(執筆:原舞子)
7月4日(土) 関根正二《自画像》
7月25日(土) 中谷泰《さかな》
8月15日(土) 岩名泰岳《双子、双子》
9月5日(土) 岡本実《台風一過》

 

主な放映・放送

NHK(津放送局)「まるっとみえ」 
2020年7月2日(木)午後6時30分~ 「ステイミュージアム」展

FM三重「CHOICE」 
2020年7月3日(金)午後2時30分~(約10分) 三重リポートのコーナー出演(担当学芸員 原舞子)

三重テレビ「ニュース」 
2020年7月6日(月) 「ステイミュージアム」学芸員が休館中にSNSで発信した作品ズラリ わかりやすいうんちくも 

NHK(東京放送局)「くらし☆解説」
2020年8月5日(水) 午前10時5分~ 「ミュージアム コロナで展示が変わる?」 

FM三重「ゲツモク!」 
8月11日(火) 午後6時台 出演(担当学芸員 原舞子)

 

展覧会開催時のページ

 

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