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美術館 > 刊行物 > HILL WIND > Hill Wind (vol.25~34) > HILL WIND26 戸谷成雄展

HILL WIND 26 戸谷成雄展

「橋本平八と北園克衛展」の関連企画として、「戸谷成雄展」を開催しました。それは、橋本と北園という芸術家兄弟の活動を紹介するだけではなく、彼らが現代に残した遺産も紹介できないかと考えたからです。兄弟の活動がすぐれて今日的意義を持っていることは、彼らに関心を寄せるアーティストは少なくないことからもわかります。

戸谷成雄は、1970年代、彫刻家としてスタートを切った頃に橋本平八の作品と出会い、「彫刻」についての主体的な思索を深めます。言葉を変えれば、戸谷は橋本平八と会話を交わしながら彫刻と向き合ってきたといえるでしょう。橋本平八と戸谷成雄の作品の間に、表現上の共通点があるわけではありません。しかし、自然の成り立ちや原始時代にまでさかのぼって彫刻を根源から考えようとする戸谷の姿勢は、橋本平八のそれに通じています。

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戸谷は、丸彫りと浮彫、彫ることと構成、表面と内面といった彫刻固有の問題、死と生、陰と陽といった生命や自然と関わる問題、さらに西洋とアジア、近代と前近代といった非西洋世界固有の問題などを多岐にわたって思索し、その結果得られた思想を作品に表現してきました。

相反すると思われがちな二つの概念間に実は複雑な関係があること、自明と考えられがちな事柄にも根源的な問題がひそんでいること、こうしたことを戸谷は作品を通じて私たちに投げかけています。(Mi)

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写真:柳原義達記念館での展示風景。
会期 2010年8月7日(土)~10月11日(月・祝)
 

 

 

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