ごあいさつ
1941年京都市に生まれた彫刻家山本正道は、やさしさと懐かしさをたたえた詩情豊かな彫刻作品によって高い評価を得ています。
山本は東京芸術大学、大学院に学んだ後、1968年から3年間ローマ美術学校に留学し、ファッツィーニに師事しました。このイタリア滞在が契機となって、イタリアの街並み、人々の暮らし、のどかな自然が山本の作品に登場します。以後、現在に至るまでイタリアの風土は、いわゆる風景彫刻に代表される山本正道の作品と深い関わりを持つことになります。
また、1978年から翌年にかけて山本はアメリカに滞在します。このときに接した先住民族の遺跡やアメリカの大自然は、彫刻家に強いインスピレーションを与えて、山本作品の新しい源泉となりました。
さらに、この彫刻家の繊細でナイーブな感覚を端的に示す一連の少女像や母子像は、全国各地に設置されて多くの人々から親しまれています。
今回の展覧会では、そうした彫刻家山本正道の造形世界を新作7点を含む彫刻作品48点とデッサン56点によって紹介します。
最後に、展覧会開催に当たり多くのご協力をいただきました山本正道氏ご夫妻をはじめ、貴重な作品をご出品いただきましたご所蔵家の皆様、ご協力をいただきました関係者の方々に心からお礼申し上げます。
主催者