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美術館 > 刊行物 > 展覧会図録 > 1999 > ごあいさつ パリのカフェと画家たち展図録

ごあいさつ

今世紀初頭のパリには、芸術の都に憧れ自由な創造を求めた若い芸術家たちが、ヨーローッパのみならず世界中から集まりました。エコール・ド・パリの画家たちがモンパルナスに集い、そしてフォーヴィスム、キュビスム、タダイスム、シュルレアリスムなど、新しい芸術活動を次々と展開していったのです。

20世紀初頭にはモンマルトルを拠点にピカソらが新しい芸術を生み、第一次世界大戦勃発の前あたりからモンパルナスを中心にキスリング、モディリアーニ、藤田嗣治らが、まさに国際的な芸術の都としての彩りを添えました。1920年代には、サン=ジェルマン=デ=プレがエルンスト、マン・レイらシュルレアリスムの拠点となり、戦後になっても新しい文化を発言し続けました。

それぞれのアトリエで制作に打ち込む彼らにとって、同じ活動を目指す仲間が集うカフェは、互いの芸術論を交換し、切磋琢磨する重要な場所でした。そしてモンマルトルの「ラパン・アジル」、モンパルナスの「ル・ドーム」「ラ・ロトンド」「ル・セレクト」「ラ・クーポール」、サン=ジェルマン=デ=プレの「レ・ドゥ・マゴ」、「カフェ・ド・フロール」などで、さまざまな美術運動を花開かせました。こうした芸術カフェは、集う芸術家たちの顔ぶれだけでなく、個性ある経営者たちの文学・芸術に対する理解と、彼らに対する愛情があって初めて成立するものだったのです。

本展は、今世紀初頭から第二次世界大戦後にかけての新しい芸術・文化の発信地であったパリのカフェを紹介するとともに、そこで活躍した若き日のモディリアーニやローランサン、藤田嗣治ら芸術家たちの作品を一堂に展示するものです。

主催者

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