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美術館 > 刊行物 > 展覧会図録 > 2009 > 第8章 《水》・インスタレーション 元永定正展 図録 2009

第8章 《水》・インスタレーション

元永定正の中心的な活動は絵画制作だが、1950年代半ば頃から立体作品の制作も行っていた。また、「舞台を使用する具体美術展」、「インターナショナルスカイフェスティバル」などで発表された作品は、元永の空間造形に対する強い関心を示している。

そうした元永の空間造形の中でもっともよく知られているのが、ビニールと着色した水とを素材にした《水》である。《水》には、下部が半球形のビニールを天井からつるした袋状のもの、 ビニールtチューブを樹木と樹木との間に渡したハンモック状のもの、正方形のビニールシートを天井から吊り下げたものなど幾つかの種類があるが、それらは色水が光を透過させる美しさ、水の重みによってつくられるビニールの形の面白さによって注目を集めた。こうした作品を見た吉原治良は「世界で初めての水の彫刻」と評したという。

その後も、元永定正は折に触れて《水》の作品を発表し続け、近年はその形状もより多彩になっている。また、元永は早くから石や麦わらなどを素材にした作品を発表していたが、近年は針金、セロハン紙、布なども使用した立体作品を制作し、それらを組み合わせたインスタレーションも個展会場の空間にあわせて行っている。

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