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美術館 > 刊行物 > 展覧会図録 > 1992 > ごあいさつ 三重の美術風土を探る2 第1部・近世の絵画展図録

ごあいさつ

三重県立美術館は1982年(昭和57年)に開館いたしましたが、このたび、開館十周年を迎え、これを記念する展覧会として「三重の美術風土を探るⅡ」を開催します。

当館では1986年(昭和61年)、「三重の美術風土を探る―古代・中世の宗教と造型展」と題しまして、この地方の風土や信仰と結びついた宗教美術の展覧会を開催しましたが、このたびの展覧会は、三重県の風土と歴史をたどる企画の一環として、三重県にかかわる近世絵画を展観します。

三重県は、周知のように、近世には上方と江戸とを結ぶ交通の要衝に当たり、また、ひろく民衆の信仰を集めた伊勢神宮や伊勢商人の活躍などを通して、全国でも有数の経済活動の活発な地域として発展しました。この繁栄を基盤にして文化が育まれ、文人墨客の往来も繁く、優れた画家がこの地を舞台に活躍しました。池大雅、曾我蕭白、伊勢寂照寺の画憎月僊、伊勢長島藩主増山雪斎などはその代表的な存在といえます。また、伊勢商人の蓄えた富は、優れた美術品をこの地に集積させました。

当館では、開館以前から館の学芸スタッフと館外の近世絵画の専門的研究者との合同による調査を行って参りました。この展覧会では、これら三重県にゆかりの画家の作品、三重県に残る桃山・江戸時代の絵画作品あわせて100点を紹介します。

最後に、本展開催にあたりまして貴重な作品をご出品いただきました美術館博物館、ご所蔵家の皆様、ご協力をたまわりました関係各位に厚くお礼申し上げます。

1992年9月

三重県立美術館
館 長 陰里鐵郎
(財)岡田文化財団
理事長 岡田卓也

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