ごあいさつ
今日のアジアは、欧米が目を見張るほどの急速な経済発展を遂げ、それと共に文化芸術の面でも活発な活動が行われています。
現代美術の分野も同様で、アジアの中でも特に韓国の活躍は目を引きます。韓国の現代美術が、日本で盛んに紹介されるようになったのは1970年代後半からで、個展や美術館での展覧会を通じて大きな反響を呼びました。これらは主に、70年代の韓国美術の主流をなしていたモノトーン系統のものでした。しかし、80年代中頃から韓国の現代美術も多様さを増し、様々な傾向が見られるようになりました。
今回の展覧会は、大家から若手、伝統的技法をもとにした韓国画から多彩なメディアを駆使した作品と幅広く、また韓国内作家だけでなく海外で活躍を続けている作家も集め、今日の韓国の美術状況を紹介しようとするものです。もちろん、本展が韓国現代美術の全体像を提示しているとは思えませんが、ある程度の広がりを示していると考えています。
本展が韓国の美術に対する、より深い理解につながればと願っております。
最後に、本展の実現にあたり、快く御出品いただきました37名の作家、また作品保管、資料提供と全面的な御協力をいただきました韓国国立現代美術館、ならびに本展の韓国内での会場を引き受けていただきました善載(ソンジェ)現代美術館に対し心からの謝意を表します。
主催者