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美術館 > 刊行物 > 展覧会図録 > 2002 > ごあいさつ 白石和己 三重の子どもたち展報告集(2002.12)

ごあいさつ

「三重の子どもたち展 発見! わたしの村 わたしの町」は第1部「生活の現場から」、第2部「教育の現場から」の二部による構成です。現代の社会は大きな変動の中にあります。さまざまな方法でもたらされ溢れるばかりの情報、多様化する価値観など、子どもたちにおいても例外ではありません。この展覧会は、子どもたちが、自分たちの生活している村や町、そこでの自然、歴史、そして共に生活している人々に、あらためて目を向け、新しい発見をし、感動を得て欲しいとの期待によって開催されています。

第8回を迎える今年は、美術館の増改築工事が10月から始まり、閉館しなければならないため、例年より約半年早い、8月末から9月末までの展覧会開催となりました。またそのため、ワークショップも8月初めに行われています。

第1部「生活の現場から」では、熊野でのワークショップの活動の成果が展示されました。「KAMIのくに熊野 宿るかたち・私のいるかたち」をテーマにしたこのワークショップは地元の小・中学生約20人が参加して、熊野少年自然の家、熊野市育生町の大森神社周辺で行われました。楮を切り出したり、羊歯を細かくして紙をつくったり、また、麻や海藻を天然ゴムに浸した紙を、岩などに押しつけて自然の形を取り出すなど、思い思いの方法でユニークな紙の造形作品を創り出しました。

第2部「教育の現場から」は、幼稚園、保育園から中学校までの子どもたちがそれぞれの園や学校教育の活動の中で制作した作品が展示されました。例年にくらべて約半年も早い展覧会だったため、子どもたちや先生は大変だっただろうと思われますが、今回も個人での制作、共同制作による個性溢れる作品がそろい、にぎやかな展示となりました。

さらに今回の特別企画は、会場の大きな1室の壁全面をキャンバスにして、訪れた子どもたちに、自由に絵や文字を描いてもらうようにしたことです。会場に置かれた絵の具で、子どもたちは自由に描き、絵や文字で埋め尽くされた巨大なキャンバスが出来上がりました。

最後になりましたが、ワークショップおよび本展開催にあたり、数多くの方々の熱心なご協力をいただきました。関係者の方々、参加していただいた子どもたちに厚くお礼申し上げます。

三重県立美術館長 白石和己

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