【橋本平八と北園克衛展 異色の芸術家兄弟】
2010年8月7日(土) ~ 10月11日(月・祝)
開館時間:午前9時30分-午後5時(入館は午後4時30分まで) 休館日:毎週月曜日(ただし、9月20日、10月11日は開館)、9月21日(火) 観覧料:一般=900円(700円) 高大生=700円(500円)小中生=400円(300円)
主催=三重県立美術館、橋本平八・北園克衛展実行委員会 後援=伊勢市、伊勢市教育委員会助成=(財)地域創造、公益信託タカシマヤ文化基金、(財)三菱UFJ信託地域文化財団
主な前売券発売所; チケットぴあ、サークルKサンクス他
橋本平八と北園克衛(本名:橋本健吉)は、現在の三重県伊勢市出身の芸術家兄弟です。 橋本平八は1897(明治30)年に生まれ、1919(大正8)年に上京して佐藤朝山に入門、1922(大正11)年の第9回日本美術院展で《猫》が入選して、彫刻家として本格的な活動を開始しました。以後日本美術院展に木彫を出品、1926(大正15)年には郷里に戻り制作活動を行いました。橋本平八は、大正後期に奈良の古仏を研究し、また1931(昭和6)年には円空仏から啓示を受けるなど伝統的な造形を意識するとともに、東西の宗教や哲学、芸術思想も研究して自己の彫刻思想を確立し、《石に就いて》や《花園に遊ぶ天女》などの代表作を残しましたが、1935(昭和10)年に39歳で早逝します。
一方、北園克衛は、橋本平八の弟として1902(明治35)年に生まれました。新聞記者を志して上京した北園は、1923(大正12)年、『文章倶楽部』に詩を発表、また未来派、立体派、表現派、ダダの影響を受け、『GE・GJMGJGAM・PRRR・GJMGEM』を創刊するなど前衛詩の分野で活動を開始します。1928(昭和3)年には「日本におけるシュルレアリズムの宣言」を上田敏雄らと発表、1935(昭和10)年にはVOU倶楽部を結成して機関誌『VOU』を発行しました。北園は写真によるプラスティック・ポエム(造形詩)の制作、書籍装幀なども行い、1978(昭和53)年に亡くなるまで詩作と造形双方に及ぶ活動を展開しました。 伝統的造形世界を常に意識していた兄橋本平八と、前衛詩人として活動を続けた弟北園克衛は一見対照的な存在です。しかし、北園が「私に芸術を吹きこんだのはこの兄であった」(1973年)と書き記したことからもわかるように、二人の芸術は互いの交流を通じて形成されたと考えられます。 橋本平八については、未紹介の手記や書簡、絵画作品等が近年確認され、北園克衛については、在米の北園研究家ジョン・ソルト氏が長年にわたって収集した資料の調査が行われて、今回初めて公開されることになりました。 本展では、こうした近年の調査研究成果を活かして橋本平八と北園克衛の全体像を紹介するとともに、兄弟の様々な交流が各人の芸術世界形成にどのように作用したかを検証します。 展示品 橋本平八:彫刻約60点、絵画・素描等約50点、関連資料北園克衛:絵画、装幀書籍、装幀用原画、プラスティック・ポエム(写真)、関連資料等
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会期中の催し
Ⅰシンポジウム「橋本平八と北園克衛を語る」
日時:2010年8月8日(日) 午後1時40分から
会場:三重県立美術館 講堂講師:
酒井忠康氏(世田谷美術館長)
ジョン・ソルト氏(ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所研究員)
平出隆氏(詩人、多摩美術大学教授)
参加無料
Ⅱギャラリートーク
担当学芸員が展覧会について展示室で語ります。
日時:2010年8月21日(土)、9月11日(土)、10月2日(土) いずれも午後2時から
※参加ご希望の方は、企画展入口にお集まりください。
参加無料(展覧会観覧券が必要です)
Ⅲ「生誕地で兄弟を偲ぶ」
兄弟の生誕地で、二人と朝熊との関係を紹介します。
日時:2010年9月25日(土) 午後1時30分から会場:朝熊ふれあい会館(伊勢市朝熊町1433、近鉄朝熊駅から徒歩5分)
講師:
石井昭郎氏(郷土史家)
伊藤由美子氏・佐藤太亮氏(劇団伊勢)
渡辺正也氏(詩人)
特別ゲスト ジョン・ソルト氏
※会場に駐車場はありません。ご来場は公共交通機関をご利用ください。
(宇治山田駅発12時21分、45分、13時21分の賢島行き普通電車をご利用ください。)参加無料(ただし、交通費等は各自負担)
同時開催 戸谷成雄展
本展にあわせて、橋本平八に強い関心を抱いて制作活動を行っている彫刻家、戸谷成雄氏の個展を柳原義達記念館B室にて行います。
本展は、2010年10月23日(土)から12月12日(日)まで世田谷美術館へ巡回します。