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美術館 > 刊行物 > 展覧会図録 > 2008 > ジュリアン・オピー 石崎勝基 液晶絵画展図録

ジュリアン・オピー
Julian Opie

1958年ロンドン生まれ、イギリス

1978年から79年までチェルシー美術学校で、79年から82年までゴールドスミス美術学校で学ぶ。1983年から85年にかけての作品は新表現主義的な筆致を活かした油彩で、しばしば支持体を連鎖的にくみあわせて立体化された。時に美術史への言及を主題とするが、その雰囲気はあくまで軽快だった。1986年の筆致を排した、しかし色彩豊かな幾何学的彫刻を経て、1987-91年にはミニマル・アートのようでもあればオフィスの仕切りや電化製品のようでもある作品を制作する。1992年にはコンピューター・ソフトを用いた透視図法への関心をしめし、1993年から97年にはハイウェー、家屋、自動車などを模型化した作品が、走行中の車の運転席から見た道路をきわめて記号化して描いたアクリルやアニメーションとあわせて制作された。アクリルによる平面はその後さらに展開され、群像や肖像などの人物、風景、動物などに題材をひろげ現在にいたる。またタブローに限らず公共空間への設置も行なっている。ポップ・アートとの親近感をうかがわせつつ、記号化された平明な色彩と形態は何らかの意味づけに回収されることからつねにすり抜け、超然とした軽快さをただよわせている点で初期以来一貫している。

コンピューター・アニメーションを用いたのは1993年以来で、平面同様人物や風景でも用いられるようになる。その一部は公式サイトのトップ・ページで見ることができるが、目もとや口もとのさりげない動き、水面のそよぎ、歩いたり踊ったりする人物など、いずれも仰々しさのない軽快さという点でやはり平面や立体に通じている。そのさりげなさゆえ作品は、別世界ではなくあくまで日常的な時間に属している。


主要関連文献:

『新彫刻作品選集 ジュリアン・オーピー』、コオジオグラ ギャラリー、名古屋、1991
Catalogue of the exhibition Julian Opie, Hayward Gallery and Kunstverein Hannover, 1993-94
「新世紀アーティスト会議1[巻頭スペシャル対談]ジュリアン・オピー×ヒロ杉山」、『美術手帖』、no.798、2001.1、pp.9-24
Catalogue of the exhibition Julian Opie, Neues Museum - Staatliches Museum für Kunst und Design in Nürnberg, 2003
Mary Horlock, Julian Opie, Tate Publishing, 2004


公式サイト

http://www.julianopie.com/

(石崎)

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