常設展示2001年度【第3期展示】2001年9月27日(木)~12月24日(月)
作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 | 備考 |
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古賀 春江 | (1895-1933) | 煙火 | 1927 | 油彩・キャンバス | |
須田 國太郎 | (1891-1961) | 信楽 | 1935 | 油彩・キャンバス | (財)岡田文化財団寄贈 |
鳥海 青児 | (1902-1972) | 紀南風景 | 1936 | 油彩・キャンバス | |
梅原 龍三郎 | (1888-1985) | 霧島 | 1936 | 油彩・キャンバス | (財)岡田文化財団寄贈 |
児島 善三郎 | (1893-1962) | 箱根 | 1938 | 油彩・キャンバス | |
安井 曾太郎 | (1888-1955) | 静物 | 1950頃 | 油彩・キャンバス | |
向井 潤吉 | (1901-1995) | 衣を脱ぐ女 | 1933頃 | 油彩・キャンバス | 作者寄贈 |
寺田 政明 | (1912-1989) | 漁婦 | 1941 | 油彩・キャンバス | |
松本 竣介 | (1912-1948) | セーラー服の少女 | 1942 | 油彩・キャンバス | 寄託品 |
宮崎 進 | (1922- ) | 捕らわれた男 | 1955 | 油彩・キャンバス・板 | |
香月 泰男 | (1911-1974) | 芒原 | 1968 | 油彩・キャンバス | |
尾藤 豊 | (1926-1998) | 馬 | 1959 | 油彩・キャンバス | |
石井 茂雄 | (1933-1962) | 暴力シリーズ-(化) | 1961 | 油彩・キャンバス | |
中谷 泰 | (1909-1993) | 陶土 | 1958 | 油彩・キャンバス | |
脇田 和 | (1908- ) | 鳥と横臥する裸婦 | 1955 | 油彩・キャンバス | |
岡 鹿之助 | (1898-1978) | 廃墟 | 1962 | 油彩・キャンバス | |
朝井閑右衛門 | (1901-1983) | 仕事場(メキシコ犬のある) | 1964 | 油彩・キャンバス | |
高畠 達四郎 | (1895-1976) | オーヴェル古寺 | 1967 | 油彩・キャンバス | |
麻生 三郎 | (1913-2000) | 肘をついた人 | 1971 | 油彩・キャンバス | 寄託品 |
小磯 良平 | (1903-1988) | 四つの西洋人形 | 1975 | 油彩・キャンバス | 三重銀行寄贈 |
田村 一男 | (1904- ) | 横嶽冬日 | 1981 | 油彩・キャンバス | |
島田 章三 | (1933- ) | とりたのし | 1961 | 油彩・キャンバス | 作者寄贈 |
奥谷 博 | (1934- ) | 詩海 | 1983 | 油彩・キャンバス | |
佐藤 忠良 | (1912- ) | 群馬の人 | 1952 | ブロンズ | |
柳原 義達 | (1910- ) | バルザックのモデルたりし男 | 1957 | ブロンズ | |
舟越 保武 | (1912- ) | OHNO嬢 | 1982 | ブロンズ |
宇田荻邨《巨椋の池》
今年度(財)岡田文化財団から寄贈を受けた宇田荻邨作《巨椋の池》は、荻邨20代後半の代表作の一つとして知られているが、50年以上に及ぶ荻邨の画業では、初期の画風変遷をたどり、また荻邨様式確立のプロセスをうかがう上で興味深い作品である。
宇田荻邨は、1919(大正8)年の第1回帝展に《夜の一力》が初入選して、美術界にデビューを果たした。耽美的で世紀末絵画のような雰囲気を強く示すこの作品は荻邨の出世作となり、以後荻邨は《太夫》《港》《南座》《木陰》など《夜の一力》に続く同趣の作品を発表していった。
ところが、《巨椋の池》はそうした作品とはかなり趣を異にする。巨椋池は、京都の南部にかつて存在した周囲約16キロの池で、多くの水鳥が棲息する緑豊かな場所として知られたが、荻邨は紅蓮の華と葉、蘆、白鷺を大きく画中に配して、植物が描く曲線を活かして動きのある画面を描き出した。《巨椋の池》が、中国宋元時代の蓮鷺図を意識していることは一見して明らかで、ここには古画に対する荻邨の積極的な姿勢を見て取ることができる。
ところで、《巨椋の池》を描く前年に、《花畑》と題された色とりどりの花々を主題とする、ルドンの芸術に刺激を受けて制作したものといわれるが、こうしたことを考え合わせると、荻邨は1923(大正12)年頃から自ら画風変革を試み、そのために翌年以降は中国絵画や桃山障壁画など古画研究への傾斜を強めていったということができよう。
いわば《巨椋の池》は、荻邨による古画研究に基づく最初の成果であった。翌1925年には、南画風の描写を示す《山村》を荻邨は発表している。こうした多方面に及ぶ古画研究の成果が大きな実を結んだのが1926年の《淀の水車》であった。
(毛利伊知郎)
作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 | 備考 |
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宇田 荻邨 | (1896-1980) | 祇園新橋 | 1919 | 絹本着色 | 川合東皐氏寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 木陰 | 1922 | 絹本着色 | |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 巨椋の池 | 1924 | 絹本着色 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 淀の水車 | 1926頃 | 絹本着色 | |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 春の池 | 1931 | 絹本淡彩 | |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 林泉 | 1935頃 | 絹本着色 | |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 寒汀宿雁 | 1939 | 絹本淡彩 | |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 祇園の雨 | 1953 | 絹本着色 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 雪の嵐山 | 1961 | 絹本着色 | |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 箱根塔ノ澤(下絵) | 1918 | 絹本淡彩 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 祇園新橋(下絵) | 1919 | 絹本淡彩 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 港(下絵) | 1921 | 絹本淡彩 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 木陰(下絵) | 1922 | 絹本淡彩 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 山村(下絵) | 1925 | 絹本淡彩 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 春の池(下絵) | 1931 | 絹本淡彩 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 宿雁(下絵) | 1940 | 絹本淡彩 | (財)岡田文化財団寄贈 |
宇田 荻邨 | (1896-1980) | 自画像 | 1919 | 鉛筆、木炭・紙 | (財)岡田文化財団寄贈 |
伊藤 小坡 | (1877-1968) | つづきもの(下絵) | 1916 | 紙本淡彩 | 伊藤正子氏寄贈 |
伊藤 小坡 | (1877-1968) | 祇園町の春(下絵) | 1916 | 紙本淡彩 | 伊藤正子氏寄贈 |
伊藤 小坡 | (1877-1968) | ふたば(下絵) | 1918 | 紙本淡彩 | 伊藤正子氏寄贈 |
伊藤 小坡 | (1877-1968) | 夏(下絵) | 1920 | 紙本淡彩 | 伊藤正子氏寄贈 |
伊藤 小坡 | (1877-1968) | 山羊の乳(下絵) | 1922 | 紙本淡彩 | 伊藤正子氏寄贈 |
伊藤 小坡 | (1877-1968) | 伊賀のつぼね(下絵) | 1930 | 紙本淡彩 | 伊藤正子氏寄贈 |
作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 | 備考 |
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バルトロメー・エステバン・ムリーリョ | (1617-1682) | アレクサンドリアの聖カタリナ | 1645-50 | 油彩・キャンバス | |
スルバラン派の画家 | 聖ロクス | 17世紀 | 油彩・キャンバス | 有川一三氏寄贈 | |
フランシスコ・デ・ゴヤ | (1746-1828) | 旅団長アルベルト・フォラステール | 1804年頃 | 油彩・キャンバス | (財)岡田文化財団寄贈 |
フランシスコ・デ・ゴヤ | (1746-1828) | 戦場の惨禍 | 1810-20頃 | 銅版画・紙 | |
パブロ・ピカソ | (1881-1973) | ロマの女 | 1900 | パステル、油彩・紙 | 三重県企業庁寄託 |
パブロ・ピカソ | (1881-1973) | ふたつの裸体 | 1909 | 銅版画・紙 | |
サルバドール・ダリ | (1904-1989) | パッラーディオのタリア柱廊 | 1937-38 | 油彩・キャンバス | |
ジョアン・ミロ | (1893-1983) | 女と鳥 | 1968 | 油彩・キャンバス | (財)岡田文化財団寄贈 |
アルフォンソ・サンチェス・ ルビオ | (1959- ) | 苦み | 1989 | ミクストメディア・布 | 大山一行氏寄贈 |
ジョアン・カルディス | (1948- ) | R-816 | 1991 | グラファイト・紙 | |
ラモーン・デ・ソト | (1942- ) | 通行の階段 | 1997 | 銅 | |
ナティビダー・ナバローン | (1961- ) | 私のからだ:鎮痛と恐れ(パートIII) あなたが私をかばう時、私は安心して休む | 1997 | ミクストメディア | |
ホセ・マリア・シシリア | (1954- ) | 衝立 ・ 小さな花々 IV | 1998 | 板に油彩、蝋紙 | |
ホセ・マリア・シシリア | (1954- ) | 衝立 ・ 小さな花々 V | 1998 | 板に油彩、蝋紙 |
作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 | 備考 |
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建畠 覚造 | (1919- ) | WAVING FIGURE-75 | 1988 | 合板、木、ウレタン塗装 | 作者寄贈 |
向井 良吉 | (1918- ) | パッキングのオベリスク | 1989 | アルミニウム | |
飯田 善國 | (1923- ) | SONZAI | 1967 | 真鍮 | |
湯原 和夫 | (1930- ) | 開かれた形 | 1975 | 真鍮、鏡面研磨、塗装 | |
江口 週 | (1932- ) | 漂流と原形 | 1981 | 木 | |
関 敏 | (1930- ) | 襞 | 1989 | 黒御影石 | |
保田 春彦 | (1930- ) | 幕舎試作・鉄 | 1991 | 鉄 | 作者寄贈 |
中西 夏之 | (1935- ) | 版画集『白いクサビ-日射の中で』 | 1987 | 銅版・紙 |