常設展示1990年度【第4期展示】 1991年1月4日(金)~3月31日(日)
第1室 現代の美術―抽象表現の展開
| 作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 |
|---|---|---|---|---|
| 難波田龍起 | (1905- ) | 創生A | 1961(昭和36) | 油彩・キャンバス |
| 村井 正誠 | (1905- ) | 支那の町 No.1 | 1938(昭和13) | 油彩・キャンバス |
| 吉原 治郎 | (1905-1972) | 作品 | 1937(昭和12) | 油彩・キャンバス |
| 鶴岡 政男 | (1907-1979) | 黒い行列 | 1952(昭和27) | 油彩・キャンバス |
| 宇治山哲平 | (1910-1986) | 伊勢 | 1976(昭和51) | 油彩・キャンバス |
| 浅野 弥衛 | (1914- ) | 作品(黄・紫) | 1964(昭和39) | 油彩・キャンバス |
| 杉全 直 | (1914- ) | コンポジションA | 1961(昭和36) | 油彩・キャンバス |
| 菅井 汲 | (1919- ) | 森の朝 | 1967(昭和42) | 油彩・キャンバス |
| 田淵 安一 | (1921- ) | 一は全て 全ては一 | 1965(昭和40) | 混合技法・キャンバス |
| 元永 定正 | (1922- ) | 赤と黄色と | 1966(昭和41) | 混合技法・キャンバス |
| 元永 定正 | (1922- ) | Nyu Nyu Nyu | 1971(昭和46) | 混合技法・キャンバス |
| 小野木 学 | (1924-1976) | 風景 | 1975(昭和50) | 油彩・キャンバス |
| 白髪 一雄 | (1924- ) | 黄龍 | 1965(昭和40) | 油彩・キャンバス |
| 渡辺 豊重 | (1931- ) | ギザギザとギザギザのあいだはジグザグ(青) | 1988(昭和63) | アクリル・キャンバス |
| 松谷 武判 | (1937- ) | OBLIQUE-3-86 | 1986(昭和61) | 混合技法・キャンバス |
| 宇佐美圭司 | (1940- ) | 銀河鉄道 | 1964(昭和39) | 油彩・キャンバス |
| 宇治木哲平 | (1910-1986) | オリジナル版画集 | 1972(昭和47) | シルクスクリーン |
| 飯田 善國 | (1923- ) | クロマトポイエマ | 1972(昭和47) | シルクスクリーン |
| 小野木 学 | (1924-1976) | 版画集 風景 | 1974(昭和49) | シルクスクリーン |
| 加納 光於 | (1933- ) | 版画集 稲妻捕り | 1977(昭和52) | リトグラフ |
| 高松 次郎 | (1936- ) | 版画集 水仙月の四日 | 1984(昭和54) | シルクスクリーン |
| 向井 良吉 | (1918- ) | 発掘した言葉 | 1958(昭和33) | ブロンズ |
| 飯田 善國 | (1923- ) | SONZAI | 1967(昭和42) | 真鍮 |
| 関 敏 | (1930- ) | 襞 | 1989(平成元) | 黒御影石 |
| 江口 週 | (1932- ) | あるはじまりのかたちⅡ | 1984(昭和59) | 木 |
日本が国際連合に正式加盟した1956年、東京で「世界・今日の美術展」が開催された。企画者のミシェル・タピエは、ヨーロッパにおけるアンフオルメル運動の推進者であった。この展覧会は日本の美術界に衝撃を与え、抽象表現主義の大流行、いわゆる「アンフオルメル旋風」をまきおこした。アンフォルメル(非形式)とは、批評家タピエの命名で、絵画から形式を排斥し、描く身振りと素材のマティエールを強調して、制作行為の本質を開い直すという運動。戦後パリでタピエが企画した「激情の対決展」(1951年)に参加した、フォートリエ、デュビュッフェ、ヴォルスらの作品が代表する抽象表現主義である。同時期にアメリカでも、アクション・ペインティングという抽象表現主義が台頭している。
タピエは、1954年に結成された具体美術協会のメンバーの仕事を高く評価した。具体は、大阪の吉原治良とその周囲に集った若い芸術家のグループ。具体の元永定正や白髪一雄の作品は日本のアンフォルメルの典型的な作例である。一方、戦後いちはやくヨーロッパに渡った菅井汲、田淵安一らは、アンフォルメル運動の渦中で、爆発するような原色を、オートマティックな手法で単純な形態に組み込む制作を試みていた。アンフォルメルはまた、戦前からシュルレアリスムの影響下にあった前衛的な一群の画家、難波田龍起、杉全直らにも新たな境地を開かせた。タピエは、1958年に再度来日し、「新しい絵画・世界展―アンフォルメルと具体」を組織。ヨーロッパ、アメリカと日本の画家を、同時に展観してみせた。アンフォルメル運動は、戦前の絵画と戦後絵画を決定的に分離してみせた。日本の前衛美術は、この戦後の抽象表現主義をもって、初めて国際的な美術の動向との共時性を獲得したといえよう。
第2室 ミロ、シャガールと20世紀のヨーロッパ美術
| 作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 |
|---|---|---|---|---|
| ワシリー・カンディンスキー | (1866-1944) | 小さな世界 | 1922 | 木版 他 |
| ジョルジュ・ルオー | (1871-1958) | 受難(パッション) | 1939 | エッチング |
| パブロ・ピカソ | (1881-1973) | ふたつの裸体 | 1909 | ドライポイント |
| マルク・シャガール | (1887-1985) | 人物および風景素画 | c.1908-25 | 鉛筆、インク・紙 |
| マルク・シャガール | (1887-1985) | 枝 | 1956-62 | 油彩・キャンバス |
| マルク・シャガール | (1887-1985) | 版画集 サーカス | 1967 | リトグラフ |
| ジォアン・ミロ | (1893-1983) | アルバム13 | 1948 | リトグラフ |
| ジョアン・ミロ | (1893-1983) | 女と鳥 | 1968 | 油彩・キャンバス |
| ジョアン・ミロ | (1893-1983) | 岩壁の軌跡1-6 | 1967 | アクアティント・エッチング |
| M.C.エッシャー | (1898-1972) | 秩序とカオス | 1950 | リトグラフ |
| M.C.エッシャー | (1898-1972) | 物見の塔 | 1958 | リトグラフ |
第3室 岳陵、靫彦と近代の日本画
| 作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 |
|---|---|---|---|---|
| 横山 大観 | (1868-1958) | 満ちくる朝潮 | 1952(昭和27) | 紙本着色 |
| 小川 芋銭 | (1868-1938) | 水郷十二橋 | 1933(昭和8) | 紙本淡彩 |
| 平福 百穂 | (1877-1933) | 太公望図 | 1927(昭和2) | 紙本墨画淡彩 |
| 富田 渓仙 | (1879-1936) | 梨郷晩春 | 絹本淡彩 | |
| 岸田 劉生 | (1881-1929) | 冬瓜茄子之図 | 1926(大正15) | 絹本着色 |
| 小林 古径 | (1883-1957) | 旅路 | c.1915(大正4) | 絹本着色 |
| 小林 古径 | (1883-1957) | 麦秋 | c.1915(大正4) | 絹本着色 |
| 安田 靫彦 | (1884-1978) | 小倉の山 | c.1930(昭和5) | 絹本着色 |
| 前田 青邨 | (1885-1977) | 春 | 絹本着色 | |
| 入江 波光 | (1887-1948) | 五月の海 | 1935(昭和10) | 紙本淡彩 |
| 中村 岳陵 | (1890-1969) | 都会女性職譜(7点) | 1933(昭和8) | 紙本着色 |
| 堂本 印象 | (1891-1975) | 薫風晴(そう) | 絹本着色 | |
| 速水 御舟 | (1894-1935) | 花の傍下絵 | 1932(昭和7) | 紙本着色 |
| 速水 御舟 | (1894-1935) | 鳥 | 紙本着色 | |
| 宇田 荻邨 | (1896-1980) | 林泉 | c.1935(昭和10) | 絹本着色 |
| 宇田 荻邨 | (1896-1980) | 雪の嵐山 | 1961(昭和36) | 紙本着色 |
| 斎藤 清 | (1907- ) | プラハ(1) | 1978(昭和53) | 紙本墨画着色 |
ギャラリー・ロビー
| 作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 |
|---|---|---|---|---|
| 元水 定正 | (1922- ) | ふたしずく | 1987 | 油彩・キャンバス |
| オシップ・ザッキン | (1890-1967) | ヴィーナスの誕生 | 1930 | ブロンズ |
| イサム・ノグチ | (1904-1988) | スレート | 1945 | 鉄 |
| 飯田 善國 | (1923- ) | Xのコンストラクション | 1987 | 木・着色麻ロープ |
| 湯原 和夫 | (1930- ) | 無題 | 1971 | 真鍮、クロム鍍金 |
| 湯原 和夫 | (1930- ) | 開かれた形 | 1975 | 真鍮、鏡面研磨、塗装真鍮 |
| 湯原 和夫 | (1930- ) | 無題 No.3-1988 | 1988 | コールテン鋼・鉄 |
| 湯原 和夫 | (1930- ) | 意味の自由区No.2-88 | 1988 | コールテン鋼・鉄・亜鉛メッキ |
| 保田 春彦 | (1930- ) | 都市1,2試作(1,2) | 1985 | 鉄・赤錆 |
| 澄川 喜一 | (1931- ) | そぎとそり | 1975 | 木 |
| 江口 週 | (1932- ) | ふたたび翔べるか―柱上の鳥 | 1988 | 木 |
| 瀧川 嘉子 | (1937- ) | 境ーNo.6-1986 | 1986 | 板ガラス |
| 小清水 漸 | (1944- ) | 作業台 水鏡 | 1981 | シナ合板、ウレタン塗装 |
| 森 一蔵 | (1945- ) | 7X7=49 | 1982 | 磁器 |
屋外彫刻
| 作家名 | 生没年 | 作品名 | 制作年 | 材質 |
|---|---|---|---|---|
| ジャコモ・マンズー | (1908- ) | ジュリアとミレトの乗った大きな一輪車 | 1973 | ブロンズ |
| 湯原 和夫 | (1908- ) | 無題 | 1982 | 鉄、ステンレス |
| 井上 武吉 | (1908- ) | my sky hole 82 | 1982 | 鉄、ステンレス |
| 井上 武吉 | (1908- ) | my sky hole 85-6 | 1985 | 鉄 |
| 田畑 進 | (1908- ) | NOKOSARETA―KATACHI | 1982 | ステンレス、黒御影石 |
| 八ツ木のぶ | (1908- ) | 象と人(異邦の夢) | 1988 | ステンレス、ウレタン彩色 |
| 梶 滋 | (1908- ) | 円柱とその周辺 | 1986 | アルミニウム |
