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美術館 > 展覧会のご案内 > 常設展(美術館のコレクション) > 1989 > 常設展示1989年度第2期(1989.6-9)

常設展示1989年度【第2期展示】 1989年6月20日(火)~9月24日(日)

大正が昭和にかわる1926年、在野の美術団体「一九三〇年協会」が設立された。結成会員は佐伯祐三、前田寛治ら。その後継に日本のフォーヴィスム運動を代表する「独立美術協会」が誕生すると、児島善三郎、林武、三岸好太郎、川口軌外らも加わった。第3回独立展には野口弥太郎と小林和作、また第4回展には海老原善之助が出品。昭和10年以降、独立展は靉光の作品に見られるシュルレアリスム的傾向が顕著となる。第1回独立展が開催された昭和6年は、満州事変の勃発した年であり、時局は第2次世界大戦前夜の緊迫した様相を帯びる。美術界でも、昭和1O年におきた帝国美術院の松田改組に端を発する混乱のなかで、日本画・洋画を含めた団体の再編成が行われたが、美術の国家統制に反村し、官展に反旗を翻した団体「新制作協会」も創設された。同協会には脇田和らがいる。柳原義達らは昭和14年、新制作に彫刻部を設ける。そこて探究されたキュビスムにはファシズム台頭の暗欝な世相が反映された。敗戦後、シベリア抑留体験をもつ香月泰男、横山操の作品には、彼らの原風景を見詰める厳しく弧独なまなざしが伺える。戦前の昭和美術は、マルク・シャガールや藤田嗣治などのエコール・ド・パリ全盛のフランス美術の影響下にあり、岡鹿之助、金山康喜、森芳雄らはサロン・ドートンヌに出品する。しかし1929年の世界大恐慌は画商の没落と画廊での展覧会に支えられたエコール・ド・パリの終焉を促し、すでに大戦を前にして、パリの前衛美術はひとつの転機を迎えていた。その意味で戦後美術を代表する芸術家、例えばアメリカの抽象主義から出発した宇佐美圭司や、パリで制作活動を続けながらも、サンパウロとヴェネツィアのピエンナーレ展で成功した菅井汲、ベルリンに留学した井上武吉、ウィーンのシンポジウムに参加した飯田善國らが、多様な表現様式をパリ以外の様々な都市で模索し、評価された事実は興味深い。


第1室 昭和美術の回顧2-戦前・戦中・戦後(洋画)

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
鹿子木孟郎 (1874-1941) 大和吉野川の渓流 1933(昭和8) 油彩・キャンバス
須田国太郎 (1891-1961) 信楽 1935(昭和10) 油彩・キャンバス
前田 寛治 (1896-1930) 裸婦 1928(昭和3) 油彩・キャンバス
木村 荘八 (1893-1958) 戯画ダンスホール 1930(昭和5) 油彩・キャンバス
佐伯 祐三 (1898-1928) 新橋風景 1926(昭和元) 油彩・キャンバス  ※
三岸好太郎 (1903-1934) 二人の道化 1931(昭和6) 油彩・キャンバス
山口  薫 (1907-1968) シュミーズの女 1931(昭和6) 油彩・キャンバス
海老原 喜之助 (1904-1970) 森と郡鳥 1932(昭和7) 油彩・キャンバス
児島善三郎 (1893-1962) 箱根 1938(昭和13) 油彩・キャンバス
牛島 憲之 (1900-    ) 貝焼場 1935(昭和10) 油彩・キャンバス
村井 正誠 (1905-    ) 支那の町No.1 1938(昭和13) 油彩・キャンバス
吉原 治良 (1905-1972) 作品 1938(昭和13) 油彩・キャンバス
川口 軌外 (1892-1966) 作品 1937(昭和12) 油彩・キャンバス
鶴岡 政男 (1907-1979) 黒い行列 1951(昭和26) 油彩・キャンバス
鳥海 青児 (1902-1972) 彫刻(黒)をつくる 1953(昭和28) 油彩・キャンバス
金山 康喜 (1926-1959) 静物 1951(昭和26) 油彩・キャンバス
安井 曾太郎 (1888-1955) 静物 1950(昭和25) 油彩・キャンバス
岡 鹿之助 (1898-1978) 廃墟 1962(昭和37) 油彩・キャンバス
坂本繁二郎 (1907-1968) 1960(昭和35) 油彩・キャンバス
脇田  和 (1908-    ) 鳥と横臥する裸婦 1955(昭和30) 油彩・キャンバス
中谷  泰 (1909-    ) 陶土 1958(昭和33) 油彩・キャンバス
森  芳雄 (1908-    ) 街角(カイロにて) 1963(昭和38) 油彩・キャンバス
原  精一 (1908-1986) 女達 1963(昭和38) 油彩・キャンバス
宇佐美圭司 (1940-    ) 銀河鉄道 1964(昭和39) 油彩・キャンバス
難波田龍起 (1905-    ) 創生A 1961(昭和36) 油彩・キャンバス
阿部 展也 (1913-1971) R-26 1970(昭和45) アクリル・キャンバス
香月 泰男 (1911-1974) 芒原 1968(昭和43) 油彩・キャンバス
岡田 謙三 (1902-1982) かきつばた 1978(昭和53) 油彩・キャンバス個人蔵
靉   光 (1907-1946) 1937(昭和12) 墨・紙
野田 英夫 (1908-1939) 風景 1932(昭和7) 水彩・紙
松本 竣介 (1912-1948) 1946(昭和21) インク・紙
小林 和作 (1888-1974) 志摩御座 1951(昭和26) 水彩・紙
麻生 三郎 (1913-    ) 荒川B 1954(昭和29) コンテ・紙
佐分  真 (1898-1936) 風景   墨・紙
菅井  汲 (1919-    ) 無題 1959(昭和34) 水彩・墨・紙
林   武 (1896-1975) ノートルダム c.1933(昭和36) コンテ・紙
野口弥太郎 (1899-1976) カスバの人々 1973(昭和48) 木炭・紙
浅野 弥衛 (1914-    ) 作品 1981(昭和56) 鉛筆(フロッタージュ)・紙
木内  克 (1892-1977) 裸婦 1959(昭和34) コンテ・紙
片山 義郎 (1908-1989) 若い女 1976(昭和51) コンテ・紙
木内  克 (1892-1977) 見つけたポーズ 1954(昭和29) ブロンズ
柳原 義達 (1910-    ) バルザックのモデルたりし男 1957(昭和32) ブロンズ
片山 義郎 (1908-1989) 女の頭部 1958(昭和33) ブロンズ

第2室 昭和美術の回顧2-戦前・戦中・戦後(日本画)

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
速水 御舟 (1894-1935) 花の傍下絵 1932(昭和7) 紙本著色
中村 岳陵 (1890-1969) 都会女性職譜 1933(昭和8) 紙本著色
小川 芋銭 (1868-1938) 水郷十二橋 1933(昭和8) 紙本淡彩
宇田 荻邨 (1896-1980) 林泉 1935(昭和10) 絹本着色
工藤 甲人 (1915-   ) (こう)野の鴉 1962(昭和37) 紙本著色
横山  操 (1920-1973) 瀟湘八景
・平沙落雁
・山市晴嵐
・洞庭秋月
・漁村夕照
1963(昭和38) 紙本墨画
斎藤  清 (1907-   ) 景福宮 1970(昭和45) 紙本墨画着色
斎藤  清 (1907-   ) セーヌ・古本屋・パリ 1978(昭和53) 紙本墨画着色

第3室 ヨーロッパ近代の絵画

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
シャルル・メリヨン (1821-1868) プチ・ポン 1850 エッチング、ドライポイント・紙
シャルル・メリヨン (1821-1868) ノートルダムの給水塔 1852 エッチング、ドライポイント・紙
シャルル・メリヨン (1821-1868) 塔・医学校通り 1861 エッチング、ドライポイント・紙
オーギュスト・ルノワール (1844-1919) 青い服を着た若い女 c.1876 油彩・キャンバス
クロード・モネ (1840-1926) ラ・ロシュブロンドの村 1889 油彩・キャンバス
エドヴァルト・ムンク (1863-1944) マイアー・グレーフェ・ポートフォリオ 1895 エッチング、ドライポイント・紙
アルフォンス・ミュシャ (1860-1939) ジョブ(ポスター・大) 1898 カラーリトグラフ・紙
ワシリー・カンディンスキー (1866-1944) 小さな世界 1922 ドライポイント・紙
藤田  嗣治 (1886-1968) 猫のいる自画像 c.1927 油彩・キャンバス
ジョルジュ・ルオー (1871-1958) 受難(パッション) 1939 カラーオーフォルト、木版・紙
ジョアン・ミロ (1893-1985) アルバム13 1948 リトグラフ・紙
モーリス・エッシャー (1898-1972) 秩序とカオス 1950 リトグラフ・紙
モーリス・エッシャー (1898-1972) 物見の塔 1958 リトグラフ・紙
マルク・シャガール (1887-1985) 1956-62 油彩・キャンバス
マルク・シャガール (1887-1985) 版画集 サーカス 1967 リトグラフ・紙
アントワーヌ・ブールデル (1861-1929) ベートーヴェン   ブロンズ        ※
オーギュスト・ロダン (1840-1917) 化粧する女   ブロンズ        ※
アリスティート・マイヨール (1861-1944) 歩むマリー   ブロンズ        ※

ギャラリー・ロビー(彫刻・彫刻家のデッサンほか)

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
オシップ・ザッキン (1890-1967) ヴィーナスの誕生 1930 ブロンズ
佐藤 忠良 (1912-   ) 円い椅子 1973 ブロンズ
佐藤 忠良 (1912-   ) 賢島の娘 1973 ブロンズ
柳原 義達 (1910-   ) 黒人の女 1956 ブロンズ
飯田 良國 (1923-   ) ストレインジャー 1961 鉛筆・ペン・紙
飯田 良國 (1923-   ) 何? 1961 鉛筆・マーカー・紙
飯田 良國 (1923-   ) 牛頭人 1962 鉛筆・マーカー・紙
湯原 和夫 (1930-   ) 無題 1983 鉛筆・樹脂絵画・紙
湯原 和夫 (1930-   ) 無題 1983 鉛筆・樹脂絵画・紙
湯原 和夫 (1930-   ) 無題 1983 鉛筆・樹脂絵画・紙
若林  奮 (1936-   ) 大気中の緑色に属するもののためのデッサン 1982 鉛筆・紙
井上 武吉 (1930-   ) My sky hole 86-道 1986 ロットリング・鉛筆・紙
井上 武吉 (1930-   ) My sky hole 86-way 1986 ロットリング・鉛筆・紙
飯田 良國 (1923-   ) Xのコンストラクション 1987 木・着色麻ロープ
若林  奮 (1936-   ) 中に犬Ⅱ 1968
澄川 喜一 (1931-   ) そぎとそり 1975
江口  週 (1932-   ) 漂流と原形 1981
保田 春彦 (1930-   ) 都市 1.試作(1) 1985 鉄・赤錆
保田 春彦 (1930-   ) 都市 2.試作(2) 1985 鉄・赤錆
浅野 弥衛 (1914-   ) 作品 1986 木・オイルスティック
吉村 寿夫 (1948-   ) RelationⅣ 1987 アルミヒドロ合金
足代 義郎 (1909-1989) 歳月の記録 1958 油彩・キャンバス
足代 義郎 (1909-1989) 木枯 1982 油彩・キャンバス

屋外彫刻

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
ジャコモー・マンズー (1908-    ) ジュリアとミレトの乗った大きな一輪車 1973 ブロンズ
湯原 和夫 (1930-    ) 無題 1982 鉄、ステンレス
井上 武吉 (1930-    ) my sky hole 82 1982 鉄、ステンレス
井上 武吉 (1930-    ) my sky hole 85-6 1985
田畑  進 (1944-    ) NOKOSARETA―KATACHI 1982 ステンレス、黒御影石
梶   滋 (1951-    ) 円柱とその周辺 1986 アルミニウム
八ツ木のぶ (1946-    ) 象と人(異邦の夢) 1988 ステンレス、ウレタン彩色

※印 寄託作品

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