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美術館 > 展覧会のご案内 > 常設展(美術館のコレクション) > 1984 > 常設展示1984年度第3期(1984.10-12)

常設展示1984年度【第3期展示】 1984年10月2日~12月27日

第1室 日本近代洋画

西洋で発達した油彩画は、明治以後、日本画と区別される洋画のジャンルを生みだしたが、たとえば岩橋教章らの作品では、西洋絵画の客観的かつ迫真的な写実的表現が追求されている。1876年(明治9)、明治政府は工部美術学校を創設して、イタリアの画家フォンタネージを指導者として招き、その門下から浅井忠などの卓れた画家が輩出した。1893年(明治26)、フランスに留学して官学系のラファエル・コランに師事し、印象派風の外光派絵画を学んだ黒田清輝と久米桂一郎らが帰国するに至って、黒田らの白馬会系の作風は、日本のアカデミズムとして洋画界の主流を占めることになった。また、この時期にはフランスの歴史画家ジャン・ポール・ローランスに師事した太平洋画界の鹿子木孟郎らが活躍し、その手堅い写実的作風は褐色調の暗い画面を示していることから、「脂派」と名づけられた。彼らに続いて明治末期に注目すべき足跡を残したのが、藤島武二と青木繁である。大正期には岸田劉生、万鉄五郎、中村彝、小出楢重らが活躍し、昭和初期には前田寛治、佐伯祐三らが1930年協会を結成して、フォーヴイズムを基調とする個性的な作品を発表する。1931年(昭和6)、その継続的展開と考えられる独立美術協会が第1回展を開催し、里見勝蔵、児島善三郎、清水登之、三岸好太郎、遅れて須田国太郎、海老原喜之助、鳥海青児らが参加した。

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
岩橋 教章 (1832-1883) 鴨の静物 1875 紙・水彩
黒田 清輝 (1886-1926) 雪景 1919 キャンバス・油彩
藤島 武二 (1867-1943) 朝鮮風景 1913 キャンバス・油彩
藤島 武二 (1867-1943) セーヌ河畔 1906-7 キャンバス・油彩
赤松 麟作 (1878-1953) 白い扇 1941 キャンバス・油彩
青木  繁 (1882-1911) 自画像 1905 紙・油彩
岡田 三郎助 (1869-1939) 婦人半身像下図 1936 紙・コンテ
斎藤 豊作 (1880-1951) 風景   キャンバス・油彩
小出 楢重 (1887-1931) 裸婦立像 1925 キャンバス・油彩
岸田 劉生 (1891-1926) 麦二三寸 1920 キャンバス・油彩
岸田 劉生 (1891-1926) 毛糸肩掛せる麗子肖像 1920 キャンバス・油彩   ※
岸田 劉生 (1891-1926) 自画像 1917 紙・コンテ・クレヨン
安井 曽太郎 (1888-1955) 静物 1950頃 キャンバス・油彩
梅原 龍三郎 (1888-   ) 山荘夏日 1933 キャンバス・油彩
佐伯 祐三 (1898-1928) 自画像 1917頃 キャンバス・油彩
佐伯 祐三 (1898-1928) サン・タンヌ教会 1928 キャンバス・油彩
佐伯 祐三 (1898-1928) 米子像   キャンバス・油彩
前田 寛治 (1896-1930) 風景 1924 キャンバス・油彩
前田 寛治 (1896-1930) 赤い帽子の少女 1928 キャンバス・油彩
前田 寛治 (1896-1930) 裸婦 1928 キャンバス・油彩
北川 民次 (1894-   ) 海への道 1942 キャンバス・油彩
清水 登之 (1887-1945) 蹄鉄 1925 キャンバス・油彩
児島 善三郎 (1893-1962) 箱根 1938 キャンバス・油彩
三岸 好太郎 (1903-1934) 二人の道化 1931頃 紙・油彩
里見 勝蔵 (1895-1980) 裸婦 1927 キャンバス・油彩
山口  薫 (1907-1968) シュミーズの女 1931 キャンバス・油彩
万  鉄五郎 (1885-1927) 木の間よりの風景 1918 キャンバス・油彩
脇田  和 (1908-   ) 鳥と横臥する裸婦 1955 キャンバス・油彩
坂本 繁二郎 (1882-1968) 1960 キャンバス・油彩
森  芳雄 (1908-   ) 街角(カイロにて) 1963 キャンバス・油彩
小磯 良平 (1903-   ) 四つの西洋人形 1975 キャンバス・油彩
香月 泰男 (1911-1974) 芒原 1968 キャンバス・油彩
原  精一 (1908-) 女達 1963 キャンバス・油彩
須田 国太郎 (1891-1961) 信楽 1935 キャンバス・油彩
鳥海 青児 (1902-1972) 紀南風景 1936 キャンバス・油彩
牛島 憲之 (1909-   ) 貝焼場 1935 キャンバス・油彩

第2室 三重の近世画人と近代日本画

伊勢、志摩、伊賀、紀伊の一部からなる三重県は、中世末期以降、伊勢神宮が所在すること、また商業の盛行などから、文人墨客の往来も繁く、近世美術史のうえで見逃せない地域である。初期南画史にその名をとどめる岡野石圃は雲出の出身であるし、日本の代表的な南画家池大雅は、松阪の書家韓天寿と親交があり、大雅筆「二十四橋図」は韓天寿の旧蔵品であった。青木夙夜は韓天寿の従弟にあたり、天寿の紹介で大雅に師事し、伊勢で歿している。近年、とみに評価の高い曾我蕭白は、宝暦、明和のころ(18世紀半ば)、しばしば伊勢地方を旅行し、松阪に多く作品を遺した。「林和靖図」六曲一双は、特異な蕭白の作風の初期様式を知るのにも貴重な作例である。月僊は、伊勢寂照寺の画憎、小画面の掛幅は多数散在するが、「山水図」は大画面の屏風で月僊の代表的作品にあげられよう。
 なお、近代日本画家、宇田荻邨、伊東深水、横山操の作品を併陳している。

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
曾我 蕭白 (1730-1781) 林和靖図 1760頃 紙本墨画淡彩
曾我 蕭白 (1730-1781) 山水図   紙本墨画    ※
月   僊 (1741-1809) 山水図   紙本淡彩
月   僊 (1741-1809) 王義子蘭亭之図   絖本淡彩
池  大雅 (1723-1776) 二十四橋図   絖本淡彩
青木 夙夜 (   -1802) 富嶽図   絹本着色
韓 天寿 (1727-1775) 山水図   紙本墨画    ※
岡野 石圃   山水図 1753 紙本墨画    ※
伊東 深水 (1898-1972) 湯気 1957 絹本着色    ※
宇田 荻邨 (1896-1980) 祇園の雨 1953 絹本着色
横山  操 (1920-1973) 洞庭秋月(瀟湘八景より) 1963 紙本墨画

第3室 ヨーロッパ絵画と三重の画家

19世紀のヨーロッパ版画はフランスを中心にめざましい展開を遂げた。とりわけ石版画(リトグラフ)の技法が飛躍的に発達して、多くの画家たちが版画制作に力を入れるようになった。ロシア出身の画家シャガール、スペインのミロ、パリに生まれステンド・グラス職人として出発したルオーらが20世紀の初頭以後、縦横に活躍する。

この展示室では上記の他に三重県に関連した画家たちの作品を併陳している。

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
マルク・シャガール (1889-   ) 1956-62 キャンバス・油彩
マルク・シャガール (1889-   ) サーカス 1967 紙・リトグラフ
藤田  嗣治 (1886-1968) ラマと四人の人物 1933 紙・水彩
ジョアン・ミロ (1893-   ) アルバム13 1948 紙・リトグラフ
エドガーードガ (1834-1917) 裸婦   紙・コンテ         ※
モーリス・ド・ヴラマンク (1876-1958) 風景 1968 キャンバス・油彩     ※
ジョルジュ・ルオー (1871-1958) 十字架上のキリスト 1939頃 キャンバス・油彩     ※
ジョルジュ・ルオー (1871-1958) 受難 1939 紙・カラー・オーフォルト
ラウル・デュフィ (1877-1953) 裸婦   キャンバス・油彩     ※
ウイリアム・ブレイク (1757-1827) ヨブ記 1825 紙・銅版
ロドルフ・ブレスダン (1822-1885) 善きサマリア人 1861 紙・リトグラフ
トウールーズ・ロートレック (1864-1901) ムーラン・ルージュのイギリス人 1892 紙・リトグラフ
ジョルジュ・ブラック (1882-1963) 葉・色彩・光 1953 紙・リトグラフ
M.C.エッシャー (1898-1972) 秩序とカオス 1950 紙・リトグラフ
M.C.エッシャー (1898-1972) 物見の塔 1958 紙・リトグラフ
M.C.エッシャー (1898-1972) メタモルフォーズⅡ 1939-40 紙・木版
オディロン・ルドン (1840-1916) ベアトリーチェ 1897 紙・リトグラフ
オディロン・ルドン (1840-1916) ヨハネ黙示録 1899 紙・リトグラフ
中谷  泰 (1909-   ) 陶土 1958 キャンバス・油彩
中谷  泰 (1909-   ) 雪解け 1976 キャンバス・油彩
浅野  弥衛 (1914-   ) 作品 1975 キャンバス・油彩
木下 富雄 (1923-   ) 空(習作) 1976 紙・木版
木下 富雄 (1923-   ) Face(白い勲章) 1979 紙・木版
佐藤 昌胤 (1907-1970) 伊勢湾台風 1960 キャンバス・油彩
林   義明 (1890-1973) 連峰 1970 キャンバス・油彩
元永 定正 (1922-   ) 赤と黄と 1966 キャンバス・アクリル

彫刻・工芸

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
橋本 平八 (1897-1935) 1922
橋本 平八 (1897-1935) 弁財天 1927
橋本 平八 (1897-1935) 俳聖一茶  
戸張 孤雁 (1882-1927) トルソ 1914 ブロンズ
柳原 義達 (1910-   ) 黒人の女 1956 ブロンズ
柳原 義達 (1910-   ) 赤毛の女 1956 ブロンズ
柳原 義達 (1910-   ) バルザックのモデルたりし男 1957 ブロンズ
佐藤 忠良 (1912-   ) 賢島の娘 1973 ブロンズ
片山 義郎 (1908-   ) 首(T子の顔) 1976 ブロンズ
若林  奮 (1936-   ) 中に犬Ⅱ 1968
井上 武吉 (1930-   ) My Sky Hole 1982 鉄・ステンレス
湯原 和夫 (1930-   ) (無題) 1982 鉄・ステンレス
田畑 進 (1944-   ) NOKOSARETA-KATACHI 1982 ステンレス・黒御影石
オシップ・ザッキン (1890-1967) ヴィーナスの誕生 1930 ブロンズ
ジャコモ・マンズー (1908-   ) ジュリアとミレトの乗った大きな一輪車 1973 ブロンズ
アリスディド・マイヨール (1861-1944) 歩むマリー   ブロンズ        ※
楠部 彌弌 (1897-   ) 彩(えん)花宴花瓶 1981 陶磁器         
川喜田 半泥子 (1878-1963) 古伊賀写水指 銘 慾袋   陶磁器         ※
川喜田 半泥子 (1878-1963) 茶碗 銘 ひばり 1941 陶磁器         ※
川喜田 半泥子 (1878-1963) 茶碗 銘 厚氷   陶磁器         ※

(2F)ギャラリー 素画・版画

前期は、佐伯祐三・岸田劉生ら近代洋画家の素画を中心とし、後期には加納光於ら現代作家の作品を陳列します。

作家名 生没年 作品名 制作年 材質
湯原 和夫 (1930-   ) 無題 1982 紙・鉛筆・アルミ
若林  奮 (1936-   ) 大気中の緑色に属するもののためのデッサン 1982 紙・鉛筆
加納 光於 (1933-   ) 稲妻捕り 1977 紙・リトグラフ
佐伯 祐三 (1898-1928) 人物・動物スケッチ 1926-27 紙・ペン
佐伯 祐三 (1898-1928) 風景 1926-27 紙・ペン
佐伯 祐三 (1898-1928) 風景 1926-27 紙・ペン・筆
佐伯 祐三 (1898-1928) 銀座風景 1926-27 紙・鉛筆・コンテ・クレヨン
関根 正二 (1899-1919) 群像 1916 紙・木炭
村山 槐多 (1896-1919) 信州風景 1917-8頃 紙・木炭
岸田 劉生 (1891-1926) 照子素画 1919 紙・木炭・水彩
松本 俊介 (1912-1948) 風景   紙・ペン・墨
松本 俊介 (1912-1948) 婦人像   紙・グァッシュ

※印 寄託作品

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