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美術館 > 刊行物 > HILL WIND > Hill Wind (vol.11~24) > 生誕130年 菊地契月展 美術館ニュース Hill Wind 21(2009年3月)

 

生誕130年 菊地契月展

2009月9月5日[土]-10月12日[月]

 

三重県立美術館では、2009年9月5日から10月12日の間、【生誕130年 菊池契月展】を開催すべく準備をすすめています。

 

契月(1879-1955)は、明治時代後期から昭和前期にかけて京都を拠点に活躍した日本画家です。長野県中野市(旧下高井郡中野町)に生まれ、13歳ころから郷里で南画家・児玉果亭に絵を学びます。1896(明治29)年、上洛。翌年には、菊池芳文に入門し、四条派を基調とした本格的な絵画修業を始めました。その後、文展で入賞を重ねるなど京都画壇の有力作家として頭角をあらわし、1922(大正11)年には、教授を務めていた京都市立絵画専門学校より、欧州視察に派遣されています。この渡欧で、イタリア・ルネサンス絵画や古代エジプト美術に大きな影響を受けた契月は、帰国後、それまでの作風の集大成ともいえる、西洋絵画と大和絵とを融合した独自の作風を確立、次々と力作を描き出しました。

 

さらに契月は、菊池塾、京都市立絵画専門学校などで後進を指導、すぐれた指導者としても高い評価を得ています。松阪出身の宇田荻邨も、契月に師事しているのです。

 

今回の展覧会では、契月の初期から晩年にいたる代表作に加えて、新出作品、滞欧期の模写なども展示し、契月の魅力に迫ります。また、宇田荻邨の特集展示も予定しています。

 

「静かに澄みわたる理知の芸術」と評される契月の芸術世界、そして、その契月に師事した荻邨の清麗典雅な作品に、どうぞご期待ください。(Mm)
 

※この記事は2009年3月24日発行「Hill Wind 21」に掲載されたものです。
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