この程ちょっと、毛色の変わった展覧会が亀山市の商店街“丘の上の白い街”で開催された。銘打って、“亀山・商店街 in ART”。 白亜のアーケードで知られるこの商店街が嘗て、買い物客で賑わっていたが、最近は商店街の空洞化が目立つ。こうした状況を打開しようと企画されたのが、今回の展覧会だ。三〇を超える店舗をギャラリー代わりに使い、そこに展示された作品を街行く人々に鑑賞して貰おうという試みだ。この企画と並行して、チャリティー作品の販売や“似顔絵”ワークショップ、更にはシンポジウムと盛りだくさんの事業が展開され、会期中は多くの人で賑わった。 この企画を推進したのはアーチスト集団、アートフォーラム三重、亀山市、それに地元商店街だが、特に印象に残ったのは商店街の婦人連の活躍だった。展覧会の開催経費が膨らみ、予算超過が心配されると、いち早く“募金活動”を提案したのも彼女達だった。 アートによる街興しが三重県内で行われるのは今回が初めて。こうした取り組みを通じて、“ろうそくの街”“液晶の街”に加えて、さらに“アートの街”というブランド・イメージが亀山に定着すれば素晴らしいことだ。 アートによる街興しは成果が出るまでに時間がかかる。今回の成功を機に、今後はビエンナーレ(二年に一度の頻度)或いはトリエンナーレ(三年に一度の頻度)形式で継続しては如何だろうか。また、参加作家は今回アートフォーラム三重の会員が中心だったが、次回以降は、東海圏や海外のアーチストにまで対象を広げれば事業に厚みが増すに違いない。“亀山・商店街 in ART”を通じて亀山から“アート”という新たなブランド・イメージが県内外に発信されることを期待したい。(It) 会場:亀山市東町商店街周辺 会期:2008年11月2日(日)-16日(日)主催:亀山・商店街 in ART アートフォーラム三重2008 実行委員会
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