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美術館 > 刊行物 > HILL WIND > Hill Wind (vol.11~24) > 日本彫刻の近代 美術館ニュース Hill Wind 15(2007年3月)

日本彫刻の近代

2007年9月26日(水)~11月4日(日)

 

彫刻は、古今東西を問わず絵画とならぶ造形芸術の重要な分野です。日本には、古代以来、仏像、神像、人形、置物、建築装飾など豊かな彫刻表現がありました。そうした背景の中で、明治時代に西洋の美術思想が輸入されると、「(西洋的な意味の)彫刻とは何か」という基本問題が十分解決されないままに彫刻の近代が始まりました。

 

日本近代における彫刻概念の在り方、あるいは明治期以降の彫刻の「近代性」についての検証は、今も大きな課題です。日本の近代彫刻については、1960年代から80年代にかけて、故中村傳三郎氏、故本間正義氏、三木多聞氏らが中心となって研究が進められました。近年は、特に明治初期の彫刻と工芸との関係、あるいは大正末から昭和前期の彫刻界について新しい観点から研究が行われ、新資料が紹介されています。

 

しかし、現在でも、日本近代彫刻史研究は絵画史研究と比較すると十分ではありません。また、作品移動の難しさや展示空間の制約などから、日本の近代彫刻を総括的に紹介する本格的な展覧会もほとんど開催されていません。

 

宮城県美術館、東京国立近代美術館と協力して準備を進めているこの展覧会は、明治初期から1960年代頃までの日本彫刻の展開を八章に分けて、選りすぐりの作品約80点を展示します。日本近代の彫刻展としては、空前絶後の内容と規模になります。是非ご期待ください。(毛利伊知郎)

 


展覧会の構成

  1. 「彫刻」の夜明け:高村光雲、宮川香山、山田鬼齋、島村俊明他
  2. 国家と彫刻:竹内久一、高村光雲、後藤貞行、大熊氏廣他
  3. アカデミズムの形成 :長沼守敬、新海竹太郎、朝倉文夫、建畠大夢他
  4. 個の表現の成立:荻原守衛、中原悌二郎、戸張弧雁、藤川勇造他
  5. 多様化の時代:高村光太郎、石井鶴三、佐藤朝山、橋本平八他
  6. 新傾向の彫刻:仲田定之助、陽咸二、日名子実三、金子九平次他
  7. 昭和のリアリズム:菊池一雄、柳原義達、佐藤忠良、舟越保武他
  8. 抽象表現の展開:堀内正和、植木茂、建畠覚造、向井良吉他
※この記事は2007年3月27日発行「Hill Wind 15」に掲載されたものです。
 
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