柳原義達《犬の唄》

1961(昭和36)年/ブロンズ/153.0×62.0×62.0cm
ブロンズでできた、高さ153センチの裸婦の立像です。表面には彫刻家の手や道具のあとがはっきり残り、岩のようにゴツゴツしているところもあります。
まずは像の正面に立ち、上の方から作品を鑑賞してみましょう。頬の肉がそぎ落とされた顔は、右肩の方に傾きながら上に向けられ、細い首に支えられています。両目の輪郭には線が刻まれ、口は少し開いています。
体のバランスは、左右対称ではありません。右肩は極端なまでに下がり、左肩が上がって上半身は大きく傾いています。肘を曲げた左手は、前方に突き出されています。
下半身に視線を移すと、右足に重心が預けられ、左膝が曲げられていることが分かります。迫力ある身体を支えているのは、筋肉の張りを感じさせる足と引き締まった足首です。
今度は作品の側面にまわって、像を見てみましょう。上半身は急カーブのS字を描き、背中は大きくえぐれ、指を押し込んだような凹みまであります。体の後ろにまわされた右手は、足の付け根のあたりをつかんでいますが、指先に向かうにつれ形が曖昧になり、足とほぼ一体化しています。
