三重県立美術館のタイルについて
三重県立美術館は緑豊かな環境の中に建てられ、1982年に開館しました。ベージュ色の壁面には、三重県の伊賀で焼かれたタイルが用いられています。壁面のタイルは、長さの異なる2種類のタイルを交互に並べる「フランス張り」という方法で貼られました。
タイルに近づいて見てください。隣り合うタイルの色合いや表面の質感が、少しずつ異なっていることにお気づきでしょうか。それは、登り窯の中で焼かれたタイルが、温度や灰の作用の違いによって異なる色合いに仕上がったためです。美術館の落ち着いた雰囲気に合うタイルの色を見出すため、2年もの間、研究が重ねられ、この特別なタイルが完成しました。
開館から20年経った2002年から翌年にかけて大規模な増築が行われました。その際に新設された柳原義達記念館の壁には、開館から20年が経過した既存の建物との調和を考え、耐久性の高いベージュ色のタイルが採用されました。
エントランスホールの正面玄関を振り返り、見上げてみましょう。そこには伊賀焼タイルを用いて制作された多田美波の作品《曙》が設置されています。この作品は、館内に用いられたタイルの色調に合わせて制作された作品です。ぜひあわせてお楽しみください。
