このページではjavascriptを使用しています。JavaScriptが無効なため一部の機能が動作しません。
動作させるためにはJavaScriptを有効にしてください。またはブラウザの機能をご利用ください。

サイト内検索

美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド 伊藤小坡《製作の前》下絵A

伊藤小坡《製作の前》下絵

伊藤小坡 製作の前下絵 

制作年不詳/紙本墨画/204×112cm

 手鏡や櫛が描かれた冊子に見入る、和装の女性が描かれています。和綴じ本が雑然と積み上げられ、関心を寄せた頁は開かれたままになっています。背後には画板が立てかけられ、絵筆や定規が置かれていることから、女性が絵画の制作に向けて構想を練っている場面であることがうかがえます。
 墨の線を基調として描かれた本作は、第9回文部省美術展覧会に入賞した《製作の前》の下絵です。紙を貼り重ねて推敲を重ねたあとがのこり、制作過程における作家の跡をたどることができます。完成作の所在が不明である本作は、資料的価値も高いといえるでしょう。
 作者の伊藤小坡は、伊勢の猿田彦神社に生まれました。歴史画を得意とする一方、大正期には、女性の日常のひとこまや母と子のささやかなやりとりなど、自身の体験に根ざした女性像を描き、高い評価を得ています。制作に思いを巡らせる女性を主題とする本作は、小坡自身の姿を重ね合わせた、自画像的性格をもつ一点です。
 

ページID:000307911