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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド 木下富雄《Face(災害)》A

木下富雄《Face(災害)》

木下富雄 Face(災害)

1959(昭和34)年/木版・紙/61.0×90.5cm

 上下二段となってタイルのように整然と並ぶ顔、顔、顔…。この作品は現在の四日市市出身の版画家、木下富雄の手によるもので、1960年に国画賞を受賞した作品です。木下富雄は、突き彫りという技法で刻まれたぎざぎざの線と、この線によって生み出される人間の顔の幾何学的な表現が特徴的な版画家です。木下の作品では、四角や三角、円といった図形にまで形を還元された顔が画面いっぱいに表されます。本作でも正面や側面からとらえた人間の顔が四角いブロックかタイルのように表されています。
 タイトルの「災害」は、1959年に発生した伊勢湾台風のことを示しています。この台風で木下が住んでいた四日市市内の富洲原地区も甚大な被害を受けます。多数の人が命を落とし、多くの家屋が倒壊しました。作中に表されたのは、作家がその目で見た、苦悩する被災者たちの顔そのものなのでしょう。物言わぬ顔たちによって埋め尽くされた画面は重々しく、彼らが内に秘めた悲痛な思いを表しているかのようです。

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