柳原義達《道標・鴉》

1970(昭和45)年/ブロンズ/142.0×68.0×120.0cm
柳原義達は戦後、カラスに魅せられ、多くの彫刻を制作したことで知られます。カラスに関心を持ったきっかけは、1965年、神戸市の動物愛護協会から記念碑の制作を頼まれたことでした。テーマに悩んでいた柳原は、仔馬の背にとまったカラスの話を聞きます。動物園や各地を巡って馬とカラスのスケッチを行い、現在神戸市に設置される彫刻《愛「仔馬の像」》を作りました。
柳原が惹きつけられたのは、カラスの庶民的な性格に加え、鋭いくちばし、黒く艶やかに輝く羽根の美しさでした。カラスとの出会いによって、柳原は新しい方向に導かれ、後に自宅でカラスを飼い、日々スケッチを行いました。
柳原は、自らのカラスの作品について次のように語っています。「私は烏や鳩の姿をとうして、自然の風や雨のなかにたつ、自分をみつめたいと思う」。羽を休め、遠くを見やるカラスは、制作を通して生命の美しさに迫ろうとする、柳原自身の姿でもあります。
