井上武吉《my sky hole 82》

1982(昭和57)年/鉄、ステンレススティール/260.0×235.0×235.0cm
三重県立美術館の正面階段の踊り場には、茶色い大きな立方体の作品が置かれています。正面の真ん中に開いた丸い穴を覗き込むと、奥に球体の鏡があることにお気づきでしょうか。その球体には自分の姿や周りの風景が映り込んでいます。
この作品は、奈良県出身の彫刻家井上武吉による作品です。井上は、国内外において都市空間に合わせたパブリックアートの制作を幅広く行ってきました。1970年代後半から「my sky hole」と題した作品を数多く手掛け、およそ20年間にわたり、このシリーズ作品を展開しました。「my sky hole」は井上が造り出した言葉で、「作品の中に入って天を覗くための穴」をあらわしているといいます。「作品の中に僕自身が入っているつもり」と述べていることから、作家が、映り込んだ鑑賞者の心の中を静かに見つめているのかもしれません。
鉄とステンレスの素材で作られた本作は、美術館の開館に先立ち、井上に依頼して制作されました。
