児島虎次郎《日本服を着たる白耳義の少女》
1911(明治44)年/油彩・キャンバス/81.8×65.7cm
縦81.8cm、横65.7cmの縦長の油絵です。正面を向いて座る少女の頭から腰までが、画面に収められています。背景の上三分の一には鮮やかな朱色が塗られ、下三分の二には、白地に赤い模様が入った布地のソファが描かれています。
ソファに腰掛ける少女は、ブロンドの髪に花飾りを付け、膝の上で両手を組んでいます。明るい水色の目でまっすぐこちらを見る彼女はポーズが固く、やや緊張した表情ですが、画面を支配する赤色が、作品に華やいだ雰囲気を与えています。
少女は、朱色の衿や帯を身に着け、青色の地に、緑やピンクが用いられた大ぶりな花柄の着物を着ています。背景や着物が大まかに描かれている一方、少女の顔や手には細かい筆のタッチが用いられています。青とオレンジなどの、正反対の性質を持つ「補色」を一緒に使うことで、肌の陰影まで巧みに表されています。