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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド 月僊《十六羅漢図》A

月僊《十六羅漢図》

月僊 十六羅漢図 制作年不詳 三重県立美術館所蔵

制作年不詳/紙本墨画/149.0×87.0cm

 円陣を組んで座る16人の僧侶が描かれています。中央にいる僧侶が持つ香炉からは細長い煙が立ち上がっています。彼らは皆、瞑想をしているようです。背景には何もなく、全体に薄い墨が塗られ、ほぼ均一な灰色です。墨の塗り残しによって僧侶の姿かたちが表現されています。この控えめな色彩は、瞑想の静けさを強調します。
 作者の月僊は、伊勢にある寂照寺というお寺の住職。月僊は、若い頃、江戸や京都で仏教修行を行いました。都会での修行のかたわら、中国と日本の古典絵画から、写生画という流行の絵画まで、幅広く学び、独自の作風を確立しました。とくに、人物画では、伝統的イメージに捉われず、とぼけたような親しみのある風貌によって仏教の聖人を描き、同時代の画家に大きな影響を与えました。
 この作品では、16人の僧侶の個性も見どころです。僧侶がぼんやりと煙を見つめる顔や、リラックスしたような姿は、宗教の枠を超えて、見る者に親しみやすさを感じさせます。
 

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