ジャコモ・マンズー《ジュリアとミレトの乗った大きな一輪車》
1973年/ブロンズ/高さ200.0×横450.0×奥行125.0cm
大きな一輪車の上で、二人の子供が遊んでいます。荷台の片側にはワンピースを着た女の子が座り、もう片側には裸の男の子が、手で体のバランスをとるように立っています。無邪気な遊びの光景に見えますが、よく見ると、一輪車はたった一本の細い杭で支えられるのみ。現実にはありえないバランス感覚と、軽やかな子供たちの身ぶりが、観るものを引き付けます。
作者のジャコモ・マンズーは20世紀イタリアを代表する彫刻家の一人。この作品のモデルとなったのは、愛する娘ジュリアと息子ミレトでした。マンズーは、手押し車で遊ぶ二人の姿をしばしば彫刻にあらわしていますが、本作はその中でもとりわけ大きい作品です。
本作は、三重県立美術館が初めて収蔵した彫刻作品でもあります。開館時より中庭に設置され、設置に際しては、マンズー自身から喜びのメッセージが届けられました。美術館の目玉作品として、長く愛され続ける作品です。