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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド オディロン・ルドン《アレゴリー-太陽によって赤く染められたのではない赤い木》A

オディロン・ルドン《アレゴリー-太陽によって赤く染められたのではない赤い木》

オディロン・ルドン アレゴリー―太陽によって赤く染められたのではない赤い木 1905年 三重県立美術館所蔵

1905年/油彩・キャンバス/46.0×35.5cm
 
 ヴェールを被った人物と腰布のみをまとった人物が並び立ち、そのそばには燃えるような赤い木が描かれています。作者はフランスの画家で版画家のオディロン・ルドン。見えざるものに目を向け、神秘的な世界を描き出した象徴主義の作家です。当初は、版画や木炭でモノクロームの作品を手がけていましたが、1890年頃から、画面に豊かな色彩が加わります。この作品でも、紫や沈んだ緑、鮮やかな赤などの色彩が目を引きます。
 作中の二人の人物については様々な考察がなされています。例えば、二人を聖母マリアとイエス・キリストとする解釈や、右の人物の足元の物体を貝殻とし、ヴィーナスの誕生と関連付ける解釈などがあります。しかし、いずれも根拠に乏しく、決定的な解明には至ってはいません。また、その長いタイトルも誰が付けたのかわかっていません。謎の多い作品ですが、こうした解釈の難しさが作品の持つ神秘的な雰囲気をいっそう高め、色彩の強烈なコントラストとともに、鑑賞者を惹きつけています。
 

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