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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド 村山槐多《自画像》A

村山槐多《自画像》

画家・村山槐多の自画像 眼鏡をかけた画家の頭から胸までが捉えられています

1916(大正5)年/油彩・キャンバス/60.5×50.0cm
 
 白い上着を羽織った青年がこちらを見つめています。本作は、村山槐多が20歳の頃に描いた自画像です。全体的に褐色を基調とし、白やオレンジの明るい色彩による力強いタッチで描かれています。その筆さばきからは、見るものを圧倒する画家の心情が伝わってくるようです。
 槐多は、体調に不安を抱えながらも、従兄弟の山本鼎にすすめられ、画家を志して18歳で上京しました。日本美術院の研究生として院展などで受賞を重ね、洋画家として活躍し注目を浴びました。
 槐多は多感な青年で、中学生時代には詩人としても才能を開花しました。詩文には色彩に関する独自の語彙が多くみられ、詩人としての卓越した感覚がうかがえます。詩句を作ることは、画家として絵を描く自分自身を奮い立たせるための手掛かりとなっていたのでしょう。
 眼鏡の奥からのぞく鋭い視線には、何事にも怯むことなく真っすぐに突き進む青年画家の自我が表現されています。この作品を描いた数年後、槐多は22歳で惜しくもこの世を去りました。
 

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