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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド 池玉瀾 《墨梅図》A

池玉瀾 《墨梅図》

池玉瀾 《墨梅図》 梅の花を描いた水墨画

制作年不詳/紙本墨画/162.6×155.2cm
 
 梅の幹が弓なりに伸び、大きく広がった枝には無数の花が咲いています。梅の太い幹は、淡い墨で表現され、丸みを帯び、強さと柔らかさをあわせもっています。
 作者の池玉瀾は、京都の祇園に生まれました。歌人である母より和歌を学び、絵ははじめ柳沢淇園から学びました。そののち池大雅と結婚し、大雅の弟子となります。淇園も大雅も、文人画という中国趣味の絵画を描いた画家でした。梅は、玉瀾が学んだ文人画の伝統的な主題です。寒さをしのいで咲く梅の花に、ひとり自らの志を守るという意味が託されています。
 この作品において、玉瀾は、太く力強い幹と奔放に咲き誇る花を描き、梅のもつ孤高な精神性を表しています。さらに、この作品には、京都祇園の歌人でもあった玉瀾の美意識がうかがえます。梅の幹には水墨のにじみを生かした、たらし込みという装飾技法が用いられています。また、画面の左下をご覧ください。太い幹の根本には、装飾文様のような直線的な梅の木が添えられ、かたわらに控えめなサインが記されています。
 

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