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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド ジョアン・ミロ《女と鳥》B

 

ジョアン・ミロ《女と鳥》

1968年/油彩・キャンバス/100.0×65.6cm
 
 縦100センチ、横65.6センチの縦長の油絵に、記号化された女性や鳥が描かれています。抽象的な表現なので、ものの見た目を再現することは意図されていません。
 白い背景に、黒く太い筆で、さまざまな線が引かれています。まずは画面の中心近くを通る、長い縦の線、横の線に注目してみましょう。二本の線で仕切られた左下の区画は、黒と赤の絵具でムラなく塗りつぶされています。縦の線は画面の上の方で、アルファベットのUの形をした半円と交差しています。
 この横の線を「女」の両腕に、縦の線や黒い色面を首や胴体に、右上の半円を顔に見立ててみてはどうでしょう。腕を広げた女性の肩に鳥が留まり、その周りを鳥たちが舞っている――画家がイメージしたのは、そんな光景だったのかもしれません。墨で書かれた漢字にも見える黒い線の背後には、淡いグレーの面が、影のようにじんわりと広がっています。
 画面のあちこちには赤や黄色、オレンジ、青、緑などの絵具が置かれています。絵具を噴きつけたようなしぶきも見られます。色とりどりのネオンサインのようにも見えるかもしれません。踊るような線、明るく華やかな色彩が、楽しげな雰囲気を醸し出しています。
 

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