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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド 藤島武二《大王岬に打ち寄せる怒濤》

 

藤島武二《大王岬に打ち寄せる怒濤》

藤島武二《大王岬に打ち寄せる怒濤》

1932(昭和7)年/油彩・キャンバス/73.3×100.0cm

 縦73.3センチ、横100センチの横長の画面に、三重県志摩市の大王崎の風景が描かれています。
 手前にV字型の崖が描かれ、画面の上から4分の1くらいの高さのところを水平線が横切っています。この作品は、崖の上から、遠くまで広がる海を見渡す視点で描かれています。
崖の斜面はぎざぎざしており、ごつごつした岩肌は茶色や緑色、灰色で塗られています。傾斜の急な右側の崖の斜面には、1本の木が描かれています。
 この崖に、勢いよく波が打ち寄せて、激しいしぶきをあげています。白い波しぶきは、筆を叩きつけるようなタッチで描かれており、画面そのものもでこぼこしています。緑や紫の水面にはところどころ白い波が立ち、岸の方へと近づいてくる波も描かれています。
 手前の海の激しさとは対照的に、沖の方の海はいたって穏やかです。水平線の左端には、一艘のヨットが浮かんでいます。
 水平線の上の空は、絵具が何層にも薄く塗り重ねられています。水平線のすぐ上には、白を混ぜた赤紫色の絵具が帯状に塗られ、その上に金色や紫色の雲が浮かんでいます。雲間からのぞく空は、鮮やかな水色です。

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