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美術館 > コレクション > 所蔵品解説 > コレクション オーディオガイド 藤島武二《大王岬に打ち寄せる怒濤》

 

藤島武二《大王岬に打ち寄せる怒濤》

藤島武二《大王岬に打ち寄せる怒濤》

1932(昭和7)年/油彩・キャンバス/73.3×100.0cm

 険しい崖の間から壮大な海をのぞむ絵です。波が激しく打ち寄せ、雲は太陽の光を受けて金色に光っています。画面左はしにはヨットが、画面右の岩壁には一本の樹が、小さく描きこまれ、海の壮大さをひきたてています。全体に落ち着いた色彩が用いられ、雲は薄紫色に、海はエメラルドグリーンに輝いています。
 作者の藤島武二は、三重県志摩市の大王崎を訪れ、この絵を制作しました。1928年、東京美術学校教授であった藤島は、時の皇太后より昭和天皇の御学問所に飾る油絵の制作を任されました。この名誉ある依頼に際して、藤島は「日の出」を絵のテーマとすることを決めます。藤島は理想の日の出の光景を探し、その後10年間にわたって旅をくりかえしました。本作も、この旅の中で制作された一点です。
 藤島は、絵を描く際、細部にとらわれずに本質を掴むことを心がけていました。本作も、克明に細かなところを写すように描かれるのではなく、波や崖のかたちは、力強くのびやかな筆さばきによって捉えられています。

 
 

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