クロード・モネ《橋から見たアルジャントゥイユの泊地》

1874年/油彩・キャンバス/62.0×81.0cm
夕暮時、金色の薄明かりが辺り一面をすっぽりと包み込んでいます。画面の左上では、クリーム色の太陽が雲間から覗き、日の光が水面にきらきらと反射しています。色の数は限られており、水気の多いクリーム色、かすれた緑色や紫色の絵具が、キャンバスの上に素早いタッチで並べられています。
画家クロード・モネは、1871年に、フランスのセーヌ川沿いの町アルジャントゥイユに移り住みました。本作は、アルジャントゥイユの橋の上から、北西の方角を向き、船の停泊地を描いたものです。画面の右下に描かれた建物は貸しボート小屋です。モネ自身が川の上での制作に使った、通称「アトリエ船」も小屋の近くに浮かんでいます。
この作品が描かれた1874年、モネは仲間とグループ展を開催しました。「第一回印象派展」として知られるその展覧会で、モネの型にはまらない筆さばきは酷評を浴びます。展覧会後に描かれたこの作品では、いっそう自由なタッチで夏の水辺の一瞬の輝きが捉えられています。