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年報2015年度版 【アートでつなぐ・三重の文化創造事業 フキだしバルーンプロジェクト】

名称

アートでつなぐ・三重の文化創造事業
地域との協働による文化活動事業
文化交流ゾーンを歩いて楽しむ事業 「フキだしバルーンプロジェクト」
 

趣旨

 アートでつなぐ・三重の文化創造事業は、文化庁「地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業」を活用し、美術館等が地域の核として文化を発信することにより、三重の地域文化の振興と次世代育成を図ることを目的として三重県立美術館において2015年度に行ったものである。
 2015年度秋冬の改修工事にともなう展示室閉室を機に、近隣に在住、通勤、通学の方々との対話や連携を強化しながら、図書館や博物館が並ぶこの文化ゾーンにさらなる賑わいを創出することを目指し、「文化交流ゾーンを歩いて楽しむ事業」を実施することとした。そのため、文化庁による助成のもと、美術館、博物館、図書館の魅力や大切さを学びながら、それを地域の方々のご協力元に発信をしていくことを目指し、アーティスト松村忠寿氏をむかえ、「フキだしバルーンプロジェクト」を開催した。
 

関係団体

【主催】 三重県立美術館、アートでつなぐ・三重の文化創造事業実行員会
【助成】 平成27年度文化庁地域の核となる美術館・歴史博物館支援事業
 

参加アーティスト

松村忠寿(まつむら ただとし)
千葉県在住。言葉をフキだし形のバルーンでビジュアル化するプロジェクトを各地で実践。参加者から町の魅力をアピールする言葉や、思いがけない想像力の飛躍を引き出したり、言葉と人物との意外なマッチングを作り出したり、内容は多彩。バルーンを参加者が携えて歩くことで、その時その場所限定の景色が生まれる。
「木津川アート2012」(京都)、「中之条ビエンナーレ 2013」(群馬)、「紀国トレイナート2015」(和歌山)など。

 

開催内容

プレイベント

美術館、博物館の学芸員と図書館司書が、各施設の魅力を分かりやすく説明するスペシャル・トークやバックヤードツアーを開催し、その体験や学びを元に、各施設およびその所蔵品をアピールする言葉を、参加者が考えるワークショップを行った。
 
講師・スタッフ:松村忠寿、井戸本吉紀(三重県立図書館)、太田光俊(三重県総合博物館)、松本功(三重県総合博物館)、田中善明(三重県立美術館)、原舞子(三重県立美術館)、吉田映子(三重県立美術館)
 
会場:三重県総合博物館、三重県立図書館、三重県立美術館
 
実施概要:
11月28日[土] 参加人数:14名
13:30~14:30
オリエンテーション
三重県総合博物館 学芸員による所蔵資料案内
15:00~16:00
三重県立図書館 司書による蔵書案内
 
11月29日[日] 参加人数:16名
13:30~14:30
三重県立美術館 学芸員による所蔵品案内
15:00~16:30
作家によるフキだしバルーン制作のデモンストレーション
バルーンに載せる「ことば」集め
 

2015年11月28日(土) 
三重県総合博物館、三重県立図書館
 
フキだしバルーンプロジェクト・プレイベントの様子 2015年11月28日(土) 三重県総合博物館 フキだしバルーンプロジェクト・プレイベントの様子 2015年11月28日(土) 三重県立図書館
三重県総合博物館での所蔵資料案内の様子 三重県立図書館閉架書庫での説明の様子
 
2015年11月29日(日)
三重県立美術館
 
フキだしバルーンプロジェクト・プレイベントの様子 2015年11月29日(日) 三重県立美術館 フキだしバルーンプロジェクト・プレイベントの様子 2015年11月29日(日) 三重県立美術館
三重県立美術館での一日かぎりの展示・説明会 松村忠寿氏によるバルーン製作実演

 

まちなかフキだしバルーン


フキだしバルーンプロジェクトin三重 開催チラシ、マップ

フキだしバルーンプロジェクト チラシ表 フキだしバルーンプロジェクト チラシ裏
(表) (裏)
プレイベントで集めた文化施設の魅力をアピールする言葉を、店舗や地域住民の理解・協力の下、駅の西側街路に設置した。
1日目は、荒天により、朝から総合文化センター、三重県立図書館、三重県総合博物館、三重県美術館の施設内に設置して、来場者に一風変わった景色を楽しんでいただいた。
2日目は、強風による危険を鑑み、予定していた時間よりも早くに街路のバルーンの撤収を行うこととなった。その後、一部、美術館内での設置を継続した。
 
設置場所:
津駅西側街路、三重県総合文化センター、三重県立図書館、三重県総合博物館、三重県立美術館
 
設置日時:
2016年2月20日[土] 10:30~16:30
2016年2月21日[日] 10:00~12:00 (~16:30 美術館内のみ)

 
2月20日(土)  
フキだしバルーンプロジェクト 2016年2月20日(土) 近鉄津駅構内 フキだしバルーンプロジェクト 2016年2月20日(土) 三重県総合博物館
近鉄津駅構内へのバルーン設置の様子 三重県総合博物館での設置の様子
フキだしバルーンプロジェクト 2016年2月20日(土) 三重県総合文化センター フキだしバルーンプロジェクト 2016年2月20日(土) 三重県立図書館
三重県総合文化センターでの設置の様子 三重県立図書館での設置の様子
 
2016年2月21日(日)  
フキだしバルーンプロジェクト 2016年2月21日(日) 三重県立美術館 フキだしバルーンプロジェクト 2016年2月21日(日) 津駅西口街路
三重県立美術館での設置の様子 津駅西口街路での展示
フキだしバルーンプロジェクト 2016年2月21日(日) 津駅西口街路  
津駅西口街路での展示  

バルーン屋台

フキだしバルーンを町なかに設置するプロジェクト当日、美術館にて、訪れた人のその日その瞬間のつぶやきをバルーンに載せることができるコーナーを開設した。バルーンは持ち帰ることができ、子どもたちを中心とした参加者は、自分の考えや言葉がその場で可視化される効果に面白みを感じ、各日30個ずつ用意したバルーンは終了時刻を前に全て配布することができた。
 
日時:
2月20日[土]11:00~16:30
2月21日[日]10:00~15:00
 
場所:
三重県立美術館エントランスホール
 
参加者数:両日で計60名
 

事業まとめ

 プロジェクトの主たるイベントであった町なかへのバルーンの設置は、悪天候のため予定した通りの実施には至らなかったが、準備を通して地域住民や店舗経営者等と対話する機会を得ることができ、美術館に対して概ね協力的な御対応をいただいたこと、また、他の県立施設のスタッフとの協働にるイベントの開催を実施したことは、貴重な機会であり、今後の美術館活動に活かしていけるようにしたい。
 「文化交流ゾーン」における賑わい創出という意味では、バルーン屋台の成功などを鑑みると、訪れた人に、ある祝祭的な場として肯定的に美術館を記憶してもらう機会となったのではないか。ただ、今回のプロジェクトは予算やスケジュールの面で、この「祝祭」という言葉に現れているような一過性のものとならざるを得ず、文化交流ゾーンの魅力を一体的に理解してもらい、繰り返し足を運んでもらうきっかけとなるには至らなかったと思われる。美術館、博物館、図書館という文化施設が共通して持つ役割や、相互の違いが生む価値などを知ってもらいながら、賑わい創出を可能とする、より継続的な取り組みが必要である。【文責・吉田映子】

 
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