常設展案内
斎宮との出会い
展示エリアへの入口にあたり、各展示室を結ぶ役割もはたす「斎宮への誘い空間」です。
ホールの中央には、博物館の平面図と建物地下の発掘遺構図面をオーバーラップして表示するグラフィック装置があります。これにより、斎宮歴史博物館が史跡斎宮跡の一角に建つサイトミュージアム(遺跡博物館)であることを示しています。
この他、斎宮跡解明のきっかけとなった代表的な出土遺物である朱彩大型土馬や、博物館を象徴するイメージ像ともなっている「祈る斎王像」も展示されています。
映像展示室
映像展示室では、美しいハイビジョン画像で斎王の儀礼と都から伊勢への旅を再現した「斎王群行」、斎宮跡の発掘調査ドキュメントと現代の少女と斎王の出会いを描くショートアニメ「斎宮との出会い-いつきのみやのあけぼの-」の2本の映像を定期的に上映しています。
また、映像展示が上映されていない時間帯は、斎宮跡出土の土器や平安時代の装束・調度の模型などを展示する空間としても機能しています。とりわけ、展示室後部の壁面ケースでは、斎宮跡出土の土器を時代順に並べた編年展示が行われており、斎宮跡出土の土器を詳しく知ることができます。
「今よみがえる幻の宮」は、令和4年3月25日(金曜)限りで上映休止となりました
「斎王群行」(約18分)
NEW「斎宮との出会い-いつきのみやのあけぼの-」(約16分) チラシ
映像の内容と上映時間はこちら
展示室Ⅰ 文字からわかる斎宮
斎王制度が整い最も繁栄した平安時代を取り上げ、斎王が選ばれて伊勢に赴き、都に帰るまで流れを、『延喜式』(この時代に編纂された法令集で斎宮を知る基本史料)をはじめとする文献史料を手がかりにして紹介します。
斎王が乗った輿(葱華輦)や斎王の群行模型、原寸大の斎王居室復元模型(十二単姿の斎王と命婦の人形や調度)、斎王が神宮の三節祭で行う祈りの様子を復元したマジックビジョン、帰京後の斎王の消息をまとめた展示などにより、斎王制度の流れをビジュアルに理解することができます。
また、展示室中央では、斎宮に関係する古典文学を紹介しています。中でも、『伊勢物語』第六十九段「狩の使」(在原業平と斎王の恋の物語)の場面が描かれた『伊勢物語絵巻』の展示コーナーは、ディスプレイの画面をタッチ操作することにより物語の内容や背景を楽しく知ることができるものです。
展示室Ⅱ ものからわかる斎宮
30年余にわたる斎宮跡の発掘調査が明らかにした斎宮の姿を、考古資料と模型により立体的・多角的に紹介します。
考古資料の展示では、飛鳥時代から南北朝時代にわたる斎宮の時代的変遷を、「斎宮の成立と整備」「斎宮の隆盛と繁栄」「斎宮の衰退と消滅」の3期に分けて展示しているほか、最新の発掘成果を紹介する速報コーナーがあります。
また、模型は、この10年間で飛躍的に調査が進展した方格地割の内院(斎王の御殿エリア)推定地区の調査成果を中心に紹介するものです。
斎宮跡の発掘調査区の一部や斎王が暮らした「内院」の柵列を再現した復元模型(実物大)、内院地区の調査経過をまとめた映像と連動した発掘調査区模型(20分の1)、床面に設置した斎宮跡全体の陶板航空写真と組み合わせた斎宮寮の復元模型(400分の1)の3種類があります。斎宮寮復元模型には、斎宮の中を擬似的に歩き回ることができるプログラムデ「斎宮バーチャル探訪」が楽しめるディスプレイも2台設置されています。
このほか、土器の復元パズルや時代順の並べかえに挑戦できる装置など、子供に人気の楽しいコーナーもあります。