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2008年2月9日

斎宮跡第153次発掘調査ニュース

「大雪の中の現地説明会」

 やってきました、第153次調査の現地説明会。今回の調査の一番大きな成果は、私たちがSB1080と名づけている大型の掘立柱建物が、最大で東西6間、南北4間で東南北の三方向に庇がつく構造だとわかったことです。これは、平安時代の斎宮の役所エリアの中で最大級の規模のものです(詳しくは添付されている現地説明会資料をご覧ください)。

 今回は、このSB1080の他にも、見学者のみなさんに現地説明会を楽しんでもらおうと、昨年の第152次調査の四面庇付建物を丸太で表示したり、史跡内を横断していた「奈良古道」
の規模を体感できるように幅9メートルの道路の表示をしたり等々、いろいろ知恵をしぼって念入りに準備をしてきました。

 ところが、当日は東海地方では記録的な大雪。説明会は午後1時30分からなのに、12時前頃から雪の粒が大きくなってきます。見学者の足元の安全のためにブルーシートや板などを敷いてありましたが、あたりはどんどん白くなっていきます。「中止にした方がいいかも・・・」
担当職員も少し弱気になってきました。しかし今回の担当者は、これまでの斎宮跡の現地説明会で一度も雨に降られていない自称「晴れ男」。何とかなるさ、と思っているうちに、こんな天気の中、びっくりするほどの見学者に集まっていただきました。参加者は80人弱。地元だけでなく、県内のあちこちからもお集まりいただきました。
 このような斎宮ファンのみなさんの熱い思いに、担当者も精一杯お応えするべく解説いたしましたが、なにせ予想以上の大雪の中、ご不便や不十分な点につきましてはご容赦をお願いするとともに、あらためてお礼を申し上げます。

 ところで、今回の説明会では、舞台裏を支えてもらった現場作業員さんらのたくさんの協力もありました。まず写真にもある、四面庇付建物の模型は、作業員さんが第152次調査で見つかった建物跡に興味を持ち、ご自分で作られたものです。これを当日お借りして、古代の建物の庇構造がどういうものか、見学者により分かりやすく説明することができました。また、説明会に先立って遺構表示のプレートやテープのまわりの雪かきをしてもらったり、滑りやすい通路の板をはずしてもらったりと、たくさんの縁の下の協力をしてもらいました。労務管理を委託した業者さんには、見学者に熱いお茶のサービスをしてもらいました。
 訪れた方のおひとりから「雪に負けないあたたかな説明会でした。」とのコメントもちょうだいしました。今回たくさんの人の協力や、熱い思いで説明会を成功できたことは、一担当者としても忘れられない思い出になりそうです。

「今日、本当に説明会ができるんだろうか・・・」

「今日、本当に説明会ができるんだろうか・・・」

152次の四面庇付建物もこのように表示してあったのに・・・

152次の四面庇付建物もこのように表示してあったのに・・・

雪に埋まってしまいました。

雪に埋まってしまいました。

それでも、こんなにたくさんの斎宮ファンが来てくれました。

それでも、こんなにたくさんの斎宮ファンが来てくれました。

作業員さんに雪かきしてもらいながらの説明会でした。

作業員さんに雪かきしてもらいながらの説明会でした。

熱心な参加者に担当者の説明にも熱が入ります。

熱心な参加者に担当者の説明にも熱が入ります。

発掘作業員さん手作りの模型で庇付建物の説明。

発掘作業員さん手作りの模型で庇付建物の説明。

出土した白磁や緑釉陶器なを、手にとって熱心に見てもらいました。

出土した白磁や緑釉陶器なを、手にとって熱心に見てもらいました。

現地説明会終了後、現場は静寂な白銀の世界になりました。

現地説明会終了後、現場は静寂な白銀の世界になりました。

(PDF)

(O)

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