2007年8月8日
斎宮跡第152次発掘調査ニュース
掘立柱建物を掘る!
第152次調査の「中央区」の東部では、いくつかの掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)の跡が見つかっています。発掘調査の現場でいま見えている遺構は、斎宮の方格地割(ほうかくちわり)ができた9世紀頃の建物跡から、江戸時代から明治時代の溝までさまざまな時代のものが同時に見えています。
発掘調査では、遺構検出で浮かび上がってくるこれらの遺構が、どういう順番で掘られ、また埋まっていったのかを、その土の色や粒のぐあい、出土する土器片などで推理・検討しながら少しずつ掘っていくのです。
下の写真は掘立柱建物の柱の跡を調査していく過程を追ってみました。最初の写真は遺構検出で2つの異なる柱穴が見つかった状況です。埋まっている土の色の違いがはっきり分かると思います。次の写真は2つの柱穴のうち、あとから掘られた「柱穴1」の土を少しずつ掘っていき、方形の穴の中にかつて立てられていた丸木の柱(直径20センチほどでした)の痕跡が見つかったところです。3番目の写真は、「柱穴1」より古い「柱穴2」も掘り下げて、この柱穴の調査を終えたところです。
この柱穴は、同じ色の土が埋まったほぼ同規模の穴が6個、南北にきれいに並んでいます。南北に5間の規模の掘立柱建物であることが分かったのです。
掘りあがった柱穴
発掘現場に三重テレビの取材がありました。
(O)