2007年7月27日
斎宮跡第152次発掘調査ニュース
「遺構」が見えてきた!
第152次調査の「中央区」では、畑の土を取り除き終え、「地山(じやま)」と呼ぶ黄色っぽい地層の上で柱の跡や溝などが埋まった跡を探す「遺構検出(いこうけんしゅつ)」の作業に入っています。「地山」の黄色い地面がきれいに現れるように草削りなどでていねいに削っていくと、黒色や褐色の遺構の輪郭が浮かび上がってきます。発掘調査で一番ワクワクし、緊張もする場面です。
遺構が見つかってくると、その輪郭に沿って線を引き、埋まっている土の色を記録したり、出土する遺物を区別して持ち帰れるよう、台帳となる略図を書いておきます。たくさんの穴が見つかる斎宮跡では、この作業を怠るとあとで遺構や遺物の整理ができなくなり大変なことになります。地道だけれども大事な仕事です。
「遺構検出」はまだ途中ですが、いくつか大きな掘立柱建物(ほったてばしらたてもの)もあるようです。斎宮では丸木の柱を立てるのに四角い穴を掘りますが、一辺が80センチほどの方形の穴がいくつか見えています。そして現在、略図を書き終えた部分から遺構の土を掘り始めました。発掘調査もいよいよ見ごろにはいってきたようです。
「遺構検出」進展中! 黄色い地層のうえに遺構が見えてくる。
「遺構」を掘る前に遺構や出土遺物を整理するための略図を書きます。
こうして「遺構掘削」にかかります。
調査員も少し夏バテ状態
(O)