日本最古のひらがな「いろは歌」墨書土器
ひらがな「いろは歌」墨書土器の展示期間を延長しました。
ご好評につき、下記の通り展示期間の延長をします。
展示期間:2012年1月21日(土)~2012年5月6日(日)
(展示場所:斎宮歴史博物館 展示室Ⅱ 速報コーナー)
日本最古のひらがな「いろは歌」墨書土器について
平成22年度に行われた斎宮跡第171次調査において、ひらがなで書かれた「いろは歌」としては日本最古となる墨書土器が出土していたことが判明しました。
土器は、土師器(はじき)の皿で、平安時代後期にあたる11世紀末から12世紀前半頃のものです。皿の内側に「ぬるをわか」、外側に「つねなら」と墨で書かれており、ひらがなで書かれた「いろは歌」としては、日本最古のものとなります。繊細な筆跡であり、斎王が居住した内院と考えられる一画から出土したことから、斎王に仕える女官が、文字を覚えるために書いたものと考えられます。現地で採用された女官が、都から来た高い教養を持った女性から文字を教わっていたのでしょうか。
今回の発見は、「いろは歌」やひらがなの普及を考える上で貴重な資料といえます。また、斎宮に都の王朝文化がいち早く伝わり、広がっていった様子がうかがえる斎宮らしい資料と言えます。
今回出土した墨書土器は平成24年1月21日(土曜日)から3月11日(日曜日)まで、斎宮歴史博物館で展示します。(※入館料が必要です。)ぜひ多くの方々にご覧いただき、古代ロマンに触れていただければと思います。
土師器皿・内側
「ぬるをわか」と書かれています。
土師器皿・外側
「つねなら」と書かれています。
斎宮跡第171次調査(東から)
中央の大きな溝の左上層から出土しました。平安時代後期の溝です。
調査風景
わずか37㎡の小さな調査区ですが、大量の土器が出土しました。