『古代史』より「アレクサンドロスとディオゲネース」
コレクション |
- |
---|---|
ジャンル |
版画 |
作者名 |
ドーミエ、オノレ DAUMIER, Honoré |
制作年 |
1842 |
材料 |
リトグラフ・紙 |
寸法 |
33.2×24.6 |
署名 |
- |
寄贈者 |
- |
来歴 |
- |
初出展覧会 |
- |
作品名欧文 |
Alexandre et Diogène (From "Histoire ancienne") |
関連資料 |
解説 |
マケドニアのアレクサンドロス大王は、弱冠二十歳で即位した後、遠くインドにまでその勢力を拡大する一方、アリストテレスとも交流するなど、文武にたけた帝王であった。一方、ディオゲネスは外界の事象に左右されず、無欲のままに自然生活をを営むことを理想とした犬儒学派に属する哲人であった。 二人の出会いは、プルタルコスの『英雄伝』において、なかなか味な演出を施されている。大王が遠征の総大将に選ばれた祝いの席に学者や著名人がはせ参じるも、ディオゲネスだけが姿を見せない。物好きな若き王は自ら哲人のもとへ出向かえば、そこにはなんと日光浴にふけるディオゲネスの姿があった。「何かほしいものは?」と訪ねる王に「少し日なたからどいてくれ」と返す哲人。意外や意外、この無礼極まりない言葉に若き名君は感銘を受けてしまうのだから、やはり凡人の計り知れない世界というべきか。 ドーミエは大胆にも私たちの方へ汚れた足の裏を見せて、大の字に横たわる老哲学者を描いた。雲のような羽飾りの付いた兜(かぶと)に、画面からはみ出るほどに長く引きずるマントをまとった大王と比較すれば、どちらにより画家が共感を覚えているか明白であろう。 (県立美術館学芸員・生田ゆき) [作家名(フランス語)] Honoré DAUMIER |
---|---|
展覧会歴 |
- |
文献 |
- |