室内の人物
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コレクション |
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ジャンル |
版画 |
作者名 |
ジャコメッティ、アルベルト GIACOMETTI, Alberto |
制作年 |
1965年 |
材料 |
リトグラフ・紙 |
寸法 |
66.2×50.2 |
署名 |
左下:Epreuve d'essai右下:Alberto Giacometti |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
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作品名欧文 |
Woman in the Room |
関連資料 |
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解説 |
あなたの目の前の人に、あなたはどのように映っているだろうか。鏡の向こうにあなたが自らを見つけたときと同じだろうか。私たちは永遠に自分自身の姿をとらえることは出来ない。否、より正確に言うならば、私たちを取り巻く人々のまなざしが形成する「わたし」から、永遠に阻害されている。完結しない輪郭線、極端に簡略化されたフォルム。ジャコメッティが描く人物像たちは一べつを差し出したくらいでは手応えを返してくれない。何度も短い線を引っかきながら、画家は対象を追いかける。逃げる。また追いかける。しかしながら、ここは確かに二人の間に流れた「時間」が定着されている。なだらかに弧を描く背、自然に重ねられた両手、モデルは画家に対して挑むことなく、ただ視線に応えている。そこでは、緊張や気負いといったプレッシャーは既に溶解している。私たちは二人の関係性とも呼ぶべき歴史を感じずにはいられない。それは、どんなに精巧な肖像画にも勝る描写であり、対象への最高のオマージュ(賛辞)と化すだろう。 (県立美術館学芸員・生田ゆき) |
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展覧会歴 |
ジャコメッティ展(広島県立美術館、静岡県立美術館 1997) |
文献 |
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