黒い行列
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コレクション |
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ジャンル |
絵画(油彩画等) |
作者名 |
鶴岡政男 TSURUOKA Masao |
制作年 |
1952(昭和27)年 |
材料 |
油彩・キャンバス |
寸法 |
130.0×97.0 |
署名 |
右下:T.M |
寄贈者 |
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来歴 |
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初出展覧会 |
第1回日本国際美術展日本における近代絵画の回顧と展望展(東京国立近代美術館 1952) |
作品名欧文 |
Black Procession |
関連資料 |
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解説 |
鶴岡政男は、群馬県高崎市生まれ。太平洋画会研究所に学ぶも、除名処分となり、洪原会、NOVA美術協会の結成に参加して自己の表現を模索した。召集と兵役解除の後、1943(昭和18)年には新人画会の設立に参加したが、戦禍によって戦前の作品のほとんどを失っている。戦後は自由美術家協会を舞台に、社会における人間の姿を抽象形態によって暗示的に表現する作品を展開した。 「黒い行列」と題された本作は、幾何学的な形によって行列する人々をあらわした作品。作家は本作について「日頃私の胸のうちに鬱積している、もやもやした心象風景が、自然にこのような表現となった」[鶴岡政男「日本国際美術展出品作 作者のことば」『美術手帖』58号、1952年]と述べており、作家が混迷した戦後社会の風景を幾何学的な形に還元して描き出したことがうかがえる。両端の無数の黒線は、歩みを進める人々の脚であり、大小不ぞろいに連なる矩形は、体を寄せながらも辺りをうかがう群衆の姿に連ねられよう。のびやかな筆致の黒線に対し、色面は慎重に塗り重ねられ、躍動感とともにきびしい緊張感を持つ作品である。 (髙曽由子 『三重県立美術館 コレクション選』 2022年) |
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展覧会歴 |
第1回日本国際美術展日本における近代絵画の回顧と展望展(東京国立近代美術館 1952) 戦後美術の出発展(東京都美術館 1977) 鶴岡政男の全貌展(群馬県立近代美術館 1979) ライトアップー新しい戦後美術像が見えてきた(目黒区美術館 1996) 日本洋画のれきし 三重県立美術館コレクションによる(茨城県近代美術館 2000) no.99 美術を楽しむ散歩道―三重県立美術館名品展Ⅰ 日本洋画の楽しみ(川越市美術館 2003) 開館35周年記念Ⅰ ベスト・オブ・コレクション―美術館の名品(三重県立美術館 2017) |
文献 |
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